キャリア教育の現場から

学生の社会的・職業的自立に向けて必要となる能力等を育成するキャリア教育について、教育現場からお届けします。

就活 会社選びの新基準。 環境、社会、人へのやさしさを重視しよう

  • (2019/03/13)

就職活動の本格的スタートにあたり、どんな視点で企業選びをすればよいか、迷っている学生もいるかと思います。「いい会社」であること、「ブラック企業ではないこと」が学生の大きな関心事ではないでしょうか。学生はさまざまな就活支援を受ける中、いい会社を見分けるために会社の業績や企業規模、業界順位、シェアなどをチェックしよう・・・といったアドバイスを受けたかもしれません。

もうかればいい、という時代は終わり


会社の業績や企業規模などは、その会社が「もうかっているかどうか」という経済的価値を示す指標で、会社の実力を知る上で大事なものです。しかし、環境問題をはじめ、さまざまな社会課題が山積する現代では、経済的価値だけを追求する企業活動は過去のものになりつつあります。

かつて、ある世界的に有名なスポーツメーカーが海外の工場で現地の子どもを低賃金で働かせていたことが明らかになり、非難の的となりました。製造や流通の過程で不当な行為があれば、たとえどんなに品質やセンスが素晴らしくても、消費者から「ノー」を突きつけられる時代です。一方、フードサービス企業が海洋汚染への影響を考慮しプラスチック製のストローの提供を中止したことで、環境意識の高い会社として注目を集めた例もあります。

最近では「SDGs」という言葉を耳にするようになりました。SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、人間、地球の持続可能な繁栄のために2015年に国連で採択された、2030年までに達成すべき世界共通のゴールのことです。「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」「つくる責任つかう責任」「住み続けられるまちづくりを」などのように、「貧困」「気候変動」「人権」「経済活動」などの側面から17のゴールが掲げられ、これらは国や地域、所属に関係なく、全ての人が関わるべき社会課題とされています。ここでいう全ての人には、会社も含まれます。

以前にも増して会社の社会的責任が問われる中、社会課題の解決に取り組む会社の評価は高まっています。新時代の「いい会社」の定義は、経済的価値だけはなく、環境、社会、人に配慮しているかどうかといった「非経済的価値」を示せる会社といえるでしょう。

SDGs達成に取り組むと会社にもメリットがある

SDGs達成に取り組むことは社会貢献になるだけでなく、会社側にもメリットがあります。例えば、世界的な社会課題の前には苦しんでいる人が多数存在し、そこには潜在的なビジネスチャンスがあります。また、社会課題に向き合うことから、立場の異なる人との対話が生まれイノベーションが起こります。会社の社会的評価が高まれば、グローバルなビジネスがしやすくなったり、資金が集まりやすくなったりします。

働き手からすると、ビジネスを通じて社会課題の解決に貢献できることは大きなやりがいや達成感を満たせるため、魅力的な職場に映るでしょう。人材難が続く中、人材獲得力のある会社はない会社より一歩も二歩もリードできるのです。

このように、社会課題への意識や取り組みは、会社の持続的な成長を支える術になります。就職先として「将来性のある会社」を選ぶとき、会社のSDGs達成への取り組みを調べることが重要になってくるでしょう。


上場企業には、会社の概況、事業内容、営業状況、財務諸表などをまとめた「有価証券報告書(有報)」があり、先に説明した経済的価値はこれを見れば分かります。また、環境、社会、人への配慮といった非経済的価値については、「統合報告書」という名前で発表している会社が増えています。有報も統合報告書も、会社のホームページで見ることができるので(注:統合報告書を作成している企業は2018年で400社程度)、経済的価値も非経済的価値も高い会社かどうかチェックすることができます。

ただ、会社の統合報告書を1社1社読むのは骨の折れる作業です。そこで、SDGsに関係する3つの指標を紹介し、指標別に会社をまとめてチェックする方法を紹介します。3つの指標とは、@ESG銘柄 Aダイバーシティ経営企業 B健康経営企業です。


新しい企業選びができる!「未来を変える会社」

『日経キャリアマガジン特別編集 就活NEXT 未来を変える会社2020年度版』(2018年12月6日 日経HR発行)には、投資会社が選んだESG銘柄で上位スコアを獲得した会社のリストや、経済産業省が選定しているダイバーシティ経営企業、健康経営企業のリストを使い、就活生が気になる平均勤続年数(男女別)、従業員規模などの項目を追加し、業界別に再編集しました。業界ごとの比較がしやすく、志望企業を選ぶときの参考になります。 詳細を見る





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