業界研究図鑑

主要38業界の現状と課題をコンパクトにまとめました。「志望業界が決まっていない」「どんな業界があるのか分からない」といった就職活動初期の学生には最適のコンテンツです。キャリアガイダンスでの業界説明などの参考にしてください。

  • メーカーⅠ
  • メーカーⅡ
  • 金融
  • 商社・流通・運輸
  • サービス
  • IT・通信・マスコミ

メーカーⅡ

  1. 9. 建設
  2. 10. 住宅・住設機器
  3. 11. 石油・鉱業
  4. 12. 鉄鋼・非鉄金属

  5. 13. 繊維
  6. 14. アパレル
  7. 15. 印刷・製紙
  8. 16. 音楽ソフト・ゲーム

建設

球場や競技場、コンベンションホールなどの大型施設や、ビル・マンション・住宅、道路・地下鉄などの建設から、治山・治水事業、港湾施設の整備まで、建設はすそ野が広い業界。国土交通省によると、建設業法に基づく2010年度の全国の建設許可業者数は49万8806社という巨大な産業です。

しかし、業界を取り巻く環境は厳しく、建設許可業者数が最も多かった2000年度と比べると、10万2174社も減少しています。これは、公共事業の縮小が大きく影響しているといえるでしょう。(財)建設経済研究所が毎年4月に発表している建設投資の見通しによると、2010年度の名目政府建設投資は前年比16.5%減の14兆1100億円でした。2011年の見通しは東日本大震災対応の補正予算による追加があり、18.1%増の16兆6600億円となりましたが、全体の流れとしては減少傾向にあります。一方、名目民間投資は、住宅投資が同4.3%増の14兆4200億円、非住宅建設投資は同0.7%増の11兆1700億円を見込んでいます。

ゼネコン各社の業績にもこうした影響は出ており、鹿島、清水建設、大成建設、大林組の大手4社の2011年3月期連結決算は、全社で売上高が2ケタ減となりました。ただ、低採算工事の削減などによって利益率は改善しています。東日本大震災の復興によって建設投資が増えると見られますが、大手ゼネコンの技術を必要とする復興事業があるかどうかは未知数です。

主な企業
  • 鹿島建設
  • 清水建設
  • 大成建設
  • 大林組
  • 竹中工務店
  • 戸田建設
  • 西松建設
  • 長谷工コーポレーション
  • 前田建設工業
  • 三井住友建設

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住宅・住設機器

アパート・マンションを含め、年間数万戸を販売する大手から、地域密着型の工務店まで多様な形態の企業が存在する住宅業界。大和ハウス工業と積水ハウスの2強体制で、その下に住友林業、ミサワホームなど6社があります。国土交通省によると、2010年度の新設住宅着工戸数は前年度比5.6%増の81万9020戸となり、前年の減少から増加に転じました。持家とマンションを中心とした分譲住宅が伸び、特に首都圏の増加率が伸びています。

大和ハウス工業、積水ハウス、積水化学工業、旭化成、住友林業、ミサワホーム、パナホーム、三井ホームの住宅大手8社の2011年3月期の連結決算では、住宅版エコポイント効果が出て、ミサワホームが前年横ばいだった以外は増益となりました。東日本大震災の影響で仮設住宅関連需要があるものの、原料価格や人件費の上昇、仮設住宅の利益率の不透明さなどがあり、どこまで業績に好影響を与えるかは不透明です。ただし、震災の影響で免震構造や制震構造など地震に強い住宅への関心が高まっています。

住宅に使われるサッシ類、ガス器具、バス・トイレ・キッチン機器などを扱う住設機器メーカーは、安全性に優れ、省エネルギー型の商品やシステム開発にに力を注いでいます。最大手の住生活グループは、トステム、INAX、新日軽などを統合してリクシルを立ち上げ、積極的に海外展開を推進しています。住生活に対抗する形でTOTO、YKK AP、大建工業が業務提携。これらにパナソニック電工が加わり、三つ巴の激しい戦いが続くと見られています。

主な企業
  • 大和ハウス工業
  • 積水ハウス
  • 積水化学工業
  • 旭化成
  • 住友林業
  • ミサワホームホールディングス
  • パナホーム
  • 三井ホーム
  • 住生活グループ
  • パナソニック電工
  • TOTO
  • YKK AP
  • 大建工業
  • タカラスタンダード

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石油・鉱業

資源小国の日本は主要資源の海外依存度が高く、石炭は100%、原油は99.6%、天然ガスは96.4%を海外に依存しています。鉱業分野の各企業は中近東、サハリン沖での油田や天然ガス田の開発、中南米での非鉄金属鉱山などへの投資を積極的に進めています。

資源開発最大手の国際石油開発帝石は、オーストラリアとインドネシアでガス田を開発しており、両プロジェクトでのLNG(液化天然ガス)生産規模は、日本のLNG輸入量の2割に匹敵する規模です。他にも日本企業としては初めてベネズエラの重質油開発事業に取り組んでいます。石油資源開発は北海道、秋田、新潟での探鉱を開発中。産油国が自国の資源を自分たちで管理しようとする資源ナショナリズムの影響で、従来の油田開発事業の権益が縮小傾向にあるために、国内企業は自主開発資源の確保・拡大が急務です。

鉱業では鉄鉱石から非鉄金属、レアアースまで、世界中で争奪戦が繰り広げられています。鉄鉱石は豪英のBHPビリトンとリオ・ティント、ブラジルのヴァーレの3社が市場を支配しているため、日本の鉄鋼大手や商社はその間に食い込み、鉄鉱石の資源権益確保を急いでいます。

鉄以外の金属では、鉱業会社や商社が中南米のチリや南アフリカなどで、銅や鉛、亜鉛の鉱山開発に参加。アラスカでの金鉱山でも日本企業が主導権を握って開発中です。また、中国が独占していたレアアースに関しても、モンゴルと組んで開発を進める動きがあります。

主な企業
  • JXホールディングス
  • 出光興産
  • コスモ石油
  • 昭和シェル石油
  • AOCホールディングス
  • 国際石油開発帝石
  • 石油資源開発
  • 日鉄鉱業

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鉄鋼・非鉄金属

鉄鋼業界は、鉄鉱石を溶かして銑鉄(不純物を含む鉄)を取り出し、鋼にし、それから最終的な製品までを作る高炉メーカー、鉄スクラップを原料に鉄鋼を作る電炉メーカー、鉄鋼を加工する単圧メーカー、固さや柔らかさの異なる鋼・特殊鋼を作る特殊鋼メーカーなどに分かれます。高炉は、NKKと川崎製鉄が経営統合した「JFEホールディングス」と、新日本製鐵、住友金属工業、神戸製鋼所の3社が資本・業務提携する2強体制となっています。

国内各社は世界的な再編の渦のなか、海外鉄鋼会社との提携関係の強化を進めています。JFEスチールは独ティッセン・クルップ・スチール、米USスチールと提携、新日鉄は韓国・ポスコ、中国鉄鋼最大手の宝鋼集団、世界最大手のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク)などと提携、ブラジル・ウジミナスを傘下に収めました。

非鉄業界は、ここ数年、海外の鉱山獲得競争が激しくなっており、自社で鉱山を持っているかどうかで収益に差が出ています。一方、世界の最先端技術を誇るリサイクル技術への期待も高まりつつあります。携帯電話やパソコンなどの家電・情報機器に使われるプリント配線板などから銅やレアメタル(希少金属)を回収する技術です。原料を取り出す廃家電は「都市鉱山」と呼ばれており、DOWAホールディングスが積極的に取り組んでいます。鉱石の調達環境が厳しい時代だけに、技術力を生かした日本の非鉄各社が注目されています。

主な企業
  • 新日鉄
  • 神戸製鋼所
  • 住友金属工業
  • JFEホールディングス
  • 日新製鋼
  • 三菱マテリアル
  • JX日鉱日石金属
  • 住友金属鉱山
  • 三井金属
  • DOWAホールディングス
  • 住友電気工業
  • 古河電気工業
  • フジクラ
  • 日本軽金属
  • 三井金属鉱業

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繊維

繊維業界は大きく分けて、石油を原料に化学合成した樹脂から繊維をつくる合成繊維企業と、羊毛や綿などの天然素材から繊維をつくる天然繊維企業からなります。国内各社は中国からの低価格品が入ってきて一時厳しい状況にありましたが、炭素繊維や液晶ディスプレー素材など高付加価値商品にシフトすることによって収益が回復してきました。東レ、帝人、クラレの合繊大手の2011年3月期の連結決算は、海外向け衣料品や家電関連需要の増加によって増収増益となりました。

現在、注目されているのが炭素繊維。軽量ながら強度と耐久性を併せ持つ高付加価値素材として、航空宇宙分野や自動車部品を中心に需要が拡大しています。なかでも軽量化による燃費向上を狙う自動車業界にとっては、鋼板に比べて重さが4分の1で、強度は10倍という炭素繊維は魅力的です。現在、炭素繊維は東レ、帝人グループの東邦テナックス、三菱化学など国内企業が世界市場を圧倒しています。ただ、価格がネックとなっており、繊維各社は量産体制を整えて価格を下げる努力をしています。帝人は耐熱性、強度、弾性に優れた炭素繊維と並ぶ高機能繊維、アラミド繊維の需要拡大を狙っています。今後は、医療関連や環境関連で、非繊維分野での製品開発が期待されています。

主な企業
  • 東レ
  • 帝人グループ
  • クラレ
  • 三菱レイヨン
  • ユニチカ
  • ダイワボウホールディングス
  • 東洋紡績
  • 日清紡績ホールディングス
  • クラボウ

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アパレル

日本のアパレル業界は、低価格帯でのし烈な競争を繰り広げています。スウェーデンのH&M、アメリカのFOREVER21などに代表される海外ファストファッションブランドが次々に進出してきたためです。海外勢を迎え撃つのは「ユニクロ」のファーストリテイリングやしまむらです。他にもインターネット通販のZOZOTOWNなど、従来の高級アパレルメーカーとは異なる企業が売り上げを伸ばしています。中でもファーストリテイリングは積極的に海外展開を進めており、2011年の新卒採用では、採用予定数の8割を外国人にするという計画を打ち出しました。

一方、百貨店で高級服を売っていた従来型アパレルメーカーは、百貨店の売上高減少に歩調を合わせるように苦戦が続いています。ワールドやオンワードホールディングス、三陽商会など大手アパレルは、新規ブランドの開発や海外ブランドの買収などによるブランド強化と、ファッションビルやショッピングセンターなど百貨店以外の販路拡大で生き残りを模索しています。レナウンは2010年5月に中国繊維大手の山東如意集団の傘下に入りました。苦境にあるアパレルメーカーと台頭する中国を象徴する出来事でした。サンエーインターナショナルと東京スタイルは2011年6月に共同持ち株会社「TSIホールディングス」を設立し、経営統合しました。大手・中堅を巻き込んだ業界再編が動き始めています。

主な企業
  • ファーストリテイリング
  • しまむら
  • ワールド
  • オンワードホールディングス
  • 三陽商会
  • ワコールホールディングス
  • レナウン

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印刷・製紙

印刷業界は、大きく分けると、パンフレット・チラシ向けの商業印刷と、雑誌・書籍向けの出版印刷、パッケージ印刷などの特殊印刷の3つに分けられます。印刷業界の構造は、全国に2万社ある印刷会社のうち9割以上が中小規模。現在の事業規模を維持できるのは、大日本印刷と凸版印刷の2社に絞られており、他社は得意分野へ特化することで生き残りを図っています。印刷大手は液晶パネルに使う反射防止フィルムやカラーフィルター、半導体の回路原版となるフォトマスクなど、先端電子部品での需要回復に期待を寄せています。また、大日本と凸版による流通の囲い込み競争も激しさを増しています。大日本はジュンク堂書店や文教堂グループホールディングス、丸善、図書館流通センターを傘下に収め、凸版は紀伊国屋書店と業務提携しました。今後は、電子書籍市場に印刷会社としてどう参入し、利益を上げられるようにするかにかかっているといえるでしょう。印刷用紙や情報用紙などの洋紙、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの衛生用紙、ダンボールなどに使う板紙を作るのが製紙会社。出版物不況や消費不振によるカタログやチラシの減少で、国内需要は本格的な回復には至っていません。各社は新たな収益源を探して、輸出や海外事業を積極的に展開中。業界最大手の王子製紙は中国に巨大工場を建設、日本製紙グループ本社はオーストラリアの製紙メーカーを買収したり、台湾の板紙大手や中国の段ボール原紙大手に出資したりしています。また、東日本大震災で被災した日本製紙(石巻工場)と三菱製紙(八戸工場)は、工場損失と稼働率低下による収益への影響が大きいようです。

主な企業
  • 大日本印刷
  • 凸版印刷
  • 共同印刷
  • 王子製紙
  • 日本製紙グループ本社
  • レンゴー
  • 大王製紙
  • 北越紀州製紙
  • 三菱製紙

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音楽ソフト・ゲーム

日本レコード協会の調査によると、2010年の音楽CDと音楽DVDなどを合わせた音楽ソフト全体の生産額は前年比10%減の2836億1200万円となり、12年連続の前年割れでした。ただ、嵐とAKB48のシングルCDが好調だっために、シングルの生産額は9%増の327億7800万円。アルバムは嵐の「僕の見ている風景」が唯一ミリオンセラーとなりました。CDに変わって成長を続けてきた音楽配信サービスは初めて前年を下回りました。音楽配信売上実績は前年比5%減の859億9000万円。登場以来右肩上がりの成長を続けてきた音楽配信市場ですが、携帯向けゲームとの競争激化やスマートフォン対応の遅れが影響したと見られます。

2010年の国内家庭用ゲーム市場(ハードとソフトの合計)は前年比9%減の4936億円(エンターブレイン調べ)と3年連続での減少となりました。ハード・ソフトともに減少し、ハードは18.9%減の1755億円、ソフトは2.5%減の3180億円。ゲーム機の販売台数は任天堂のDSシリーズが296万台でトップでしたが前年比では26.4%減、ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション・ポータブルは前年比25.2%増の289万台でした。

家庭用ゲーム機、ゲームソフトはインターネット上で楽しむことができるオンラインゲームや、スマートフォン用ゲームの急激な普及などの影響で、今後苦戦を強いられる可能性が高いでしょう。

主な企業
  • エイベックス・グループ・ホールディングス
  • ソニー・ミュージックエンタテインメント
  • ユニバーサルミュージック
  • ソニー・コンピュータエンタテインメント
  • 任天堂
  • バンダイナムコホールディングス
  • スクウェア・エニックス
  • セガサミーホールディングス

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