業界研究図鑑

主要38業界の現状と課題をコンパクトにまとめました。「志望業界が決まっていない」「どんな業界があるのか分からない」といった就職活動初期の学生には最適のコンテンツです。キャリアガイダンスでの業界説明などの参考にしてください。※原則として、2017年8月10日時点での内容ですが、一部加筆しています。

  • メーカーⅠ
  • メーカーⅡ
  • 金融
  • 商社・流通・運輸
  • サービス
  • IT・通信・マスコミ

サービス

  1. 26. エネルギー
  2. 27. 教育
  3. 28. 人材
  4. 29. 医療・福祉
  5. 30. 旅行・ホテル
  6. 31. フードサービス
  7. 32. レジャー・アミューズメント
  8. 33. コンサルティング
  9. 34. その他サービス

エネルギー

石油会社のうち、ユーザーに石油製品を販売しているのが「石油元売り」で国内石油業界の中心的な存在です。化石燃料の枯渇や地球温暖化対策として、太陽光発電や燃料電池など新エネルギー開発に力を入れています。

2017年4月に石油元売り業界首位だったJXホールディングスと同4位だった東燃ゼネラル石油が経営統合し、統合新会社「JXTGホールディングス」が発足しました。国内ガソリン販売シェアで50%超の「巨人」の誕生です。JXホールディングスは2010年4月に新日本石油とジャパンエナジーを持つ新日鉱ホールディングスが経営統合して発足しました。東燃ゼネラル石油の主要株主は米エクソンモービルでした。2016年12月には、出光石油が英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル石油の株約31.3%を取得しました。出光と昭シェルは合併を目指していますが、出光の創業家が反対しています。合併が実現すれば、1980年代に10社以上あった元売り業界は「2強」に集約されます。

2016年4月に電力の小売りが全面的に自由化され、全国10社による独占体制が崩れました。新規参入組も交えて販売競争が激化しています。太陽光発電や風力発電など再生エネルギーにも注目が集まっています。2017年4月にはガス小売りが全面自由化され、関西電力、中部電力などが新規参入しました。いち早く動いた関西電力は、電力小売自由化で新電力に顧客を25万件以上奪われた苦い経験があります。業種の壁を超えたエネルギー競争の始まりです。

主な企業
  • JXTGホールディングス
  • 昭和シェル石油
  • 出光興産
  • コスモエネルギーホールディングス
  • 北海道電力
  • 東北電力
  • 東京電力ホールディングス
  • 北陸電力
  • 中部電力
  • 関西電力
  • 中国電力
  • 四国電力
  • 九州電力
  • 沖縄電力
  • 東京ガス
  • 大阪ガス
  • 東邦ガス
  • Jパワー

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教育

教育産業は、小学生から高校生)までを対象にする進級・進学向けと、キャリアアップを手助けする社会人向けに大別できます。進学向けでは、子どもの数が減っているうえ、大学進学時における浪人率が減少していることの影響を受けています。予備校大手の代々木ゼミナールが全国20カ所の校舎を閉鎖すると発表したのは2014年の夏です。駿台予備校、河合塾と並び、三大予備校と呼ばれていただけに、「予備校冬の時代」を印象つけました。

教育サービス再編の動きが活発になってきました。2015年、「Z会グループ」の持ち株会社である増進会出版社は栄光ホールホールディングスを買収しました。通信教育大手と学習塾大手が経営統合に踏み切った背景には、少子化に加えて、インターネット教育の普及による競争激化や、2020年の大学入試改革への対応など教育業業全体が抱えている難題があります。

リクルートホールディングスは月額980円を売りにしたネット教育サービス「スタディサプリ大学受験講座」を展開しています。教室などが不要のため、低料金で提供が可能になるのです。既存の教育各社もネット対応を急ぐとともに、成長が見込まれる社会人向けサービスの強化に取り組んでいます。

主な企業
  • ベネッセホールディングス
  • 高宮学園(「代々木ゼミナール」を展開)
  • 河合塾
  • 駿河台学園(「駿台予備学校」を展開 )
  • ナガセ(「東進ハイスクール」を展開)
  • ZEホールディングス(「栄光ゼミナール」や「シェーン英会話」を運営)
  • 公文教育研究会
  • イーオン

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人材

厚生労働省の「労働者派遣事業報告書」(平成27年6月1日現在の状況)によると、派遣労働者数は約134万人と対前年比で6.7%増加しました。政府の働き方改革が追い風になっています。企業は人材不足の中、正社員の残業時間を抑制し労働時間を減らす方向にあります。労働力を確保するため、人材派遣のニーズが高まっているのです。特に30代女性を中心に事務派遣が増えています。

人材派遣以外には、人材紹介、再就職支援があります。転職の仲介は、人手不足が著しいIT(情報技術)の需要が増えており、技術者派遣は自動車メーカー向けに設計や開発分野が伸びています。また、人材需要の増加に伴い、人材サービス会社の営業担当者の仕事も増えています。パーソナルホールディングス(旧テンプホールディングス)は4年間に約200億円投じて基幹システムを刷新します。AIを活用して、派遣スタッフと仕事をマッチングをして営業担当の業務負担を軽減するのです。転職サイト「リクナビNEXT」を運営するリクルートキャリアなど人材各社もAIを導入し、業務の効率化を目指す動きが進んでいます。

主な企業
  • リクルートホールディングス
  • パーソルホールディングス(旧テンプホールディングス)
  • パーソルキャリア(旧インテリジェンス)
  • マンパワーグループ
  • パソナグループ
  • アデコ
  • メイテック

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医療・福祉

病院などの医療機関、特別養護老人ホームやデイケアセンター、グループホームなどの介護サービスを行う福祉施設のほか、医療検査・分析サービス、リネンサービス、介護用品の販売なども含まれます。

SOMPOホールディングスは、介護・ヘルスケア事業を成長分野に位置づけています。2015年12月にSOMPOケアネクスト(東京・品川、旧ワタミの介護)、2016年3月にSOMPOケアメッセージ(岡山市、旧メッセージ)をそれぞれ子会社化し、介護事業に本格参入しました。2017年7月1日付で子会社2社の全業務を一体運営にしています。2社を合わせた売上高はニチイ学館に次ぐ国内2位になっています。介護事業を巡っては、東京海上ホールディングスのグループ会社がサービス付き高齢者向け住宅の運営に乗り出したほか、ソニーフィナンシャルホールディングスが都内で介護付き有料老人ホームを展開。大同生命保険も介護関連ベンチャーに出資するなど、保険各社がこぞって事業参入を進めています。

政府が介護のアジア輸出を後押しています。2017年2月、政府とパナソニック、三菱商事など100を超える企業や団体が連携して「国際・アジア健康構想協議会」を立ち上げました。アジア諸国でも高齢化が急速に進んでおり、富裕層を中心に高度保健医療の需要が増えています。日本の優れた介護サービスや蓄積されてきたノウハウは海外でも評価を得られると判断して、オールジャパンで市場開拓に取り組みます。アジアで介護を担う人材を育成するなど、ハード、ソフト両面で日本型介護のパッケージ輸出を目指します。

主な企業
  • ニチイ学館
  • SOMPOケアメッセージ
  • ツクイ
  • セントケア・ホールディングス
  • 各種病院
  • 福祉施設

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旅行・ホテル

旅行業界は最大手ジェティービー(JTB)を筆頭に、エイチ・アイ・エス、KNT-CTホールディングス(2013年に近畿日本ツーリストがクラブツーリズムと経営統合)、日本旅行、東武トップアーズ(2015年東武トラベルとトップツアーズが合併)が続きます。JTBは2017年1月31日、インドネシアの旅行最大手パノラマ・ツアーズ・インドネシアへの資本・業務提携を発表しました。現地の店舗網と顧客基盤を活用し、訪日客向けツアーなどを売りこみます。2016年の訪日外国人(インバウンド)数は過去最高の2400万人となりました。この流れに乗ろうと旅行各社は知恵を絞っています。「コト消費」サービスの充実に取り組んでいます。

ホテル各社も訪日外国人の誘客に向けて事業戦略を見直しています。東京・大阪のホテルは、2017年の春節期の宿泊料金を前年に比べて1〜3割低下しました。ホテルの国内御三家(帝国ホテル、ホテルニューオータニ、ホテルオークラ)の一画、ホテルニューオータニも、2017年の春節の訪日外国人向け宿泊料金を約1割下げました。前年は強気の料金設定で想定通りの集客ができず、戦略を見直したのです。おかげで、春節の稼働率は64%と0.7ポイント上昇しました。各ホテルが宿泊料金の値下げに踏み切った背景には、空き家などに旅行者を有料で泊める「民泊」の台頭が影響しています。訪日外国人客数は増加傾向にあるものの、ホテルの宿泊者数は伸びていません。 民泊などの格安宿泊施設に観光客が流れているとみられています。民泊仲介サイト「Airbnbエアビーアンドビー」の掲載件数は増加中です。住宅宿泊事業法(民泊法)が成立して、2018年1月にも全国で民泊が解禁されます。今後も各ホテルの戦略に影響を与えることになりそうです。

主な企業
  • ジェティービー
  • エイチ・アイ・エス
  • KNT-CTホールディングス
  • 日本旅行
  • 東武トップツアーズ
  • 阪急交通社
  • 楽天トラベル
  • 一休
  • 帝国ホテル
  • ニューオータニ
  • ホテルオークラ
  • ハイアットホテルズ&リゾーツ
  • 星野リゾート
  • プリンスホテル
  • 東急ホテルズ
  • リゾートトラスト
  • JRホテルグループ

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フードサービス

日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査 2016年 年間結果報告」によると、2016年の外食需要は、台風などの影響を受けた8月以外は堅調に推移し、年間の売り上げは前年比2.8%伸び、2年連続前年を上回りました。市場規模を推定・計算すると、約25兆9000万円になります。業態別では、ファーストフードが4年ぶりに前年を上回りました。日本マクドナルドホールディングスの2017年1〜6月期連結決算は純利益が107億円と前年同期の約68倍に拡大しました。鶏肉偽装問題発覚後、サラ・カサノバ社長が進めてきた一連の改革が効果をあげているようです。

一方、外食市場を牽引してきたファミリーレストランの伸びは一服状況です。すかいらーくが展開する「ガスト」が苦戦しています。人件費が膨らむ深夜営業の見直しで、経費削減を推進します。人手不足を背景に24時間営業の中止・縮小は外食全体に広がりそうな雲行きです。台頭するコンビニなど「中食」との競争にどう対応するのか、シニア層をどう取り込むのかが課題です。

主な企業
  • 日本マクドナルドホールディングス
  • ゼンショーホールディングス
  • 吉野家ホールディングス
  • 松屋フーズ
  • すかいらーくグループ
  • サイゼリヤ
  • 王将フードサービス
  • 日本KFCホールディングス
  • モスフードサービス
  • コロワイド
  • モンテローザ
  • スシローグローバルホールディングス
  • くらコーポレーション
  • ワタミ

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レジャー・アミューズメント

テーマパークの2強の価格戦略に差が出てきました。東京ディズニーリゾート(TDR)は入園料(大人の1日券で7400円)を2017年4月は4年ぶりに据え置きます。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は2月に200円値上げしました。TDRの入場者数は踊り場にあります。来客数が好調なUSJは任天堂と共同で 「スーパー・ニンテンドー・ワールド」を開発中です。2014年に開業した映画「ハリー・ポッター」がテーマの人気エリア(約450億円)を超える大型投資(500億円超)で集客力を高めます。TDRがどんな対抗策を打ち出すのかが注目点です。ハウステンボスなどはカジノを含む統合型リゾート誘致に積極姿勢を見せています。

映画館各社は施設やサービスの充実に力を入れています。東宝傘下の最大手のTOHOシネマズは「TOHOシネマズ新宿」に映画のシーンと座席が連動する新システムを導入しました。イオンエンターテイメント(2013年にワーナー・マイカルとイオンシネマズが統合)も「イオンシネマ岡山」で、最新のシステムや動く座席を導入しました。座席の幅を広げ、電動リクライニングシートを取り入れたスクリーンもあります。長期的な市場縮小が予想されるなか、少しでも他社との違いを出そうと懸命です。

主な企業
  • オリエンタルランド
  • ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
  • イオンエンターテイメント
  • TOHOシネマズ
  • セガサミーホールディングス
  • バンダイナムコホールディングス

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コンサルティング

顧客である企業の置かれた状況を把握し、実効性のある施策を提案・実行するのが主な業務。強みとするアドバイス領域と企業の成り立ち、対象となる顧客の企業規模によって、戦略系、会計事務所系、シンクタンク系、国内基盤系、人事系、IT系などに分かれます。戦略系はマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ、会計事務所系はアクセンチュア、アビームコンサルティング、シンクタンク系は野村総合研究所、三菱総合研究所、国内基盤系は日本能率協会コンサルティング、船井総合研究所、人事系はマーサージャパン、IT系はフューチャーアーキテクトなどがあります。

ビッグデータやクラウド関連のビジネス開発など「デジタル変革」に向けたコンサルティングへの需要が高まっています。M&Aの増加に伴い財務関連の需要や働き方改革に対応した人事・組織関連の需要も注目されています。東芝の不正会計事件で監査法人の責任が問われたように、コンサル会社の責任が問われるケースが出てくる可能性もあります。発注者はクライアント企業の経営企画・財務などのスタッフ部門が主体ですが、他部門からは「費用の割にアドバイスが非現実的」との批判も聞かれます。コストパーフォマンスも含めた質の高いコンサルを提供できるかが問われています。

主な企業
  • マッキンゼー・アンド・カンパニー
  • ボストン コンサルティング グループ
  • A..T. カーニー
  • アクセンチュア
  • アビームコンサルティング
  • デロイト トーマツコンサルティング
  • 野村総合研究所
  • 三菱総合研究所
  • 日本総合研究所
  • 日本能率協会コンサルティング
  • 船井総合研究所
  • タナベ経営
  • マーサージャパン
  • タワーズワトソン
  • フューチャーアキテクト
  • NTTデータビジネスコンサルティング

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その他サービス

事業所や家庭、イベント会場、要人などを対象に警備サービスを提供するセキュリティーサービス業です。国内初の総合警備会社の日本警備保障(現セコム)が創業した1960年代以降に発展しました。近年の治安悪化で市民の防犯意識が高まり、一般家庭にも防犯設備が広く普及し始めています。最大手はセコムで、綜合警備保障、セントラル警備保障が続きます。

安心・安全への消費者の意識の高まりや価格を抑えたサービスの登場もあり、若い世帯や女性の単身世帯などの需要も高まっています。人手に頼らないサービス提供が始まっています。警備の担い手には高齢者もいて、犯罪などの被害に対応しきれないケースがあります。ロボットを「つながる機器」として活用する動きはセキュリティー分野でも広がっていくでしょう。

フィットネス業界は異業種の子会社または関連会社が多いのが特徴です。ルネサスは、大日本インキ化学工業(現・DIC)の社員が、1979年に企業内ベンチャーとして立ち上げたテニススクール事業が前身です。その後、フィットネスクラブ、スイミングスクールを事業に加え、総合スポーツクラブとして成長を続けてきました。スポーツクラブNAS大和ハウス工業系です。セントラルスポーツは元水泳選手の後藤忠治会長を中心に設立されました。後藤家の資産管理・投資会社であるセントラルトラスト社が筆頭株主です。

主な企業
  • セコム
  • 綜合警備保障(ALSOK)
  • セントラル警備保障
  • コナミスポーツクラブ
  • ルネサンス
  • セントラルスポーツ
  • 東急スポーツオアシス
  • スポーツクラブNAS
  • ダスキン

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