業界研究図鑑

主要38業界の現状と課題をコンパクトにまとめました。「志望業界が決まっていない」「どんな業界があるのか分からない」といった就職活動初期の学生には最適のコンテンツです。キャリアガイダンスでの業界説明などの参考にしてください。

  • メーカーⅠ
  • メーカーⅡ
  • 金融
  • 商社・流通・運輸
  • サービス
  • IT・通信・マスコミ

サービス

  1. 26. エネルギー
  2. 27. 教育
  3. 28. 人材
  4. 29. 医療・福祉
  5. 30. 旅行・ホテル
  6. 31. フードサービス
  7. 32. レジャー・アミューズメント
  8. 33. コンサルティング
  9. 34. その他サービス

エネルギー

エネルギー業界は、ガソリン・灯油などを供給する石油会社、電気を供給する電力会社、ガスを供給するガス会社に分けられます。石油は新日本石油、コスモ石油、出光興産、東燃ゼネラル石油、昭和シェル石油、ジャパンエナジー、エクソンモービルが大手。2010年4月に新日本石油とジャパンエナジーを持つ新日鉱ホールディングスが経営統合し、JXホールディングスになりました。JXHGは石油の元売りだけでなく、資源開発まで幅広く手掛けています。石油各社は化石燃料の枯渇や地球温暖化対策として、太陽光発電や燃料電池など新エネルギー開発に力を入れています。

電力業界は福島第1原子力発電所の事故で揺れています。これまでの原発の安全神話が崩れたことによって、福島以外の原発でも定期検査後の再稼働ができない状態が続き、2012年5月にはすべての原発が停止することになります。電力各社は原発停止による電力不足を補うために火力発電に頼らざるを得ず、コスト増による収益悪化は避けられません。電力会社からの節電要請が今後、産業や市民生活にどれだけマイナスの影響を与えるのかが懸念されています。

自由化によって電力会社と市場の奪い合いをしていたガス業界は、震災以後工業用での販売が伸びています。日本ガス協会によると、コージェネレーション(熱電併給)システムや火力発電所などの需要が好調。ガス会社は電力会社のオール電化に対抗してガスエンジンや燃料電池を使う「コージェネレーション(熱電併給)」の提供を進めており、節電を追い風に普及を一気に進めたいところ。 一方、原発事故を機に自然エネルギーを事業化する動きも活発になりつつあり、太陽光発電や風力発電だけでなく、地熱発電、太陽熱発電などにも注目が集まっています。

主な企業
  • JXホールディングス
  • 昭和シェル石油
  • 出光興産
  • コスモ石油
  • エクソンモービル
  • 北海道電力
  • 東北電力
  • 東京電力
  • 北陸電力
  • 中部電力
  • 関西電力
  • 中国電力
  • 四国電力
  • 九州電力
  • 沖縄電力
  • 東京ガス
  • 大阪ガス
  • 東邦ガス
  • Jパワー

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教育

学習塾や予備校、通信教育、専修学校、外国語学校などが属する業界。少子化の影響で受験人口が減少していますが、親が子供一人にかける教育費は増大しており、中高一貫教育で名門復活を狙う公立校や、私立中学を目指す子供が増え、年間売上高が100億円を超す学習塾も多くなっています。ここ数年、大手企業による買収が相次ぎ、業界再編の動きが活発になってきました。ベネッセコーポレーションはお茶の水ゼミナール、緑鉄会、東京個別指導学院、ベルリッツコーポレーションなどを次々に買収。代々木ゼミナールも2010年5月、SAPIX(サピックス)の中等部、高等部に続いて小学部も買収しました。東進ハイスクールを運営するナガセは四谷大塚を、栄光はシェーン英会話を買収しています。中学受験から大学受験まで一貫した教育体制の構築による生徒の囲い込み、受験教育から語学教育への事業拡大といった戦略です。

英会話学校は業界最大手NOVAに続いてジオスも経営破たんし、語学学校の経営実態に疑問符がつけられています。ただ、英語教育に関しては小学5、6年生で英語が必修となるほか、2013年から施行される高校の新指導要領でも英語教育の強化が打ち出されており、事業環境としては追い風が吹いています。資格学校は、就職環境の悪化に伴って資格を武器にする学生が増え、公務員試験向け講座も受講者数を伸ばしています。企業向け研修サービスは、企業の教育研修費の削減などの影響で、経営不振に追い込まれる企業が増える可能性もあります。

主な企業
  • ベネッセコーポレーション
  • 代々木ゼミナール
  • 河合塾
  • 駿台予備学校
  • ナガセ
  • 栄光
  • 日本公文教育研究会
  • イーオン

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人材

人材派遣、人材紹介、再就職支援などの人材サービス業界。厚生労働省の「平成21年度労働者派遣事業報告」によると、2009年度人材派遣市場規模は、前年度比19.0%減の6兆3055億円で、派遣労働者数も前年度比24.3%減の約302万人でした。2008年秋に始まった自動車、電機メーカーによる「派遣切り・雇い止め」によって非正規社員の格差問題などが社会問題化し、規制強化の動きがさらに進みそうです。

人材派遣以外には、人材紹介、再就職支援があります。矢野経済研究所によると、2009年度の人材紹介市場は前年度比51.8%減の670億円と半減し、反対に再就職支援市場は前年度比70.5%増の283億円で大幅増となりました。2010年度に入ってからは人材紹介は上昇に転じ、再就職支援は景気が上向いたことと雇用調整が一段落して市場は縮小傾向に。こうした環境の中、各社が力を入れているのがアウトソーシング事業です。パソナは販売職・営業職専門の会社を設立、通信会社の営業や店舗運営など業務の一括受注を目指しています。テンプホールディングスも営業業務を一括受託する新会社を設立しました。2011年度は震災による影響が、人材派遣、人材紹介、再就職支援の各業界にどのように出るのか、なかなか見通しを立てにくい状況です。

主な企業
  • スタッフサービス・ホールディングス
  • テンプスタッフ
  • パソナグループ
  • アデコ
  • インテリジェンス

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医療・福祉

病院などの医療機関、特別養護老人ホームやデイケアセンター、グループホームなどの介護サービスを行う福祉施設のほか、医療検査・分析サービス、リネンサービス、介護用品の販売なども含まれます。

業界最大手のニチイ学館は2011年3月期の連結決算で、売上高が前年比2.3%増の2408億円となり、3期連続で過去最高を記録。医療関連事業が伸びているほか、訪問介護や通所介護などの在宅系介護サービスの利用者数も増加傾向が続いています。さらに、厚生労働省が創設した「『働きながら資格をとる』介護雇用プログラム」の実施により、教育事業も好調でした。ワタミは介護付有料老人ホームのほか、高齢者向け宅配事業が順調に伸びています。

2012年度の介護保険制度改正に向けて、65歳以上の保険料上昇の抑制などを柱とする介護保険法改正案が2011年6月に成立しました。介護サービスの利用者拡大による財政負担増や介護職員の待遇改善など、課題は山積しています。病院では絶対的な医師不足が深刻化、特に都市部の緊急医療と地方の医療に影響が出ています。地方では病院閉鎖に追い込まれるなど医師不足は深刻な事態になっており、このままでは地域医療が崩壊するとさえいわれている状況です。このため、国は大学医学部定員を増やし、医師不足に対応しています。

主な企業
  • ニチイ学館
  • ワタミ
  • 各種病院
  • 福祉施設

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旅行・ホテル

旅行業界は最大手JTBを筆頭に、エイチ・アイ・エス(HIS)、阪急交通社、近畿日本ツーリスト、日本旅行が続きます。政府は、2010年に訪日外国人旅行者数を1000万人にするという目標を掲げる「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を推進していました。日本政府観光局(JNTO)によると、同事業を始めた2003年に比べると1.6倍以上に伸びているものの、2010年の訪日外客数は約861万人に留まりました。2011年は震災と原発事故の影響で、訪日外客数は3月が前年同月比50.3%減、4月が前年同月比62.5%減(推計値)、5月が前年同月比50.4%減(同)と、前年の半数以下という状態が続いています。原発事故が収束し、日本への渡航の安全が確保されなければ震災前のレベルへの回復は厳しいでしょう。旅行各社は割安な訪日団体ツアーを販売するなどして集客しているのが現状です。

ホテル業界は、国内御三家と言われる帝国ホテル、ホテルニューオータニ、ホテルオークラに対し、フォーシーズンズホテル椿山荘東京、パークハイアット東京、ウェスティンホテル東京の新御三家があります。これに、コンラッド東京、マンダリンオリエンタル東京、ザ・リッツ・カールトン東京、ザ・ペニンシュラ東京など、外資系高級ホテルが加わり、海外からの富裕層宿泊客の獲得競争を繰り広げていました。ところが、震災後の外国人旅行者の減少によって首都圏の高級ホテルは軒並み稼働率が落ち込み、直後はフロアやレストランの一部閉鎖で対応したホテルもありました。現在は被災地の復興支援になるようなプランやイベントを実施して、顧客を呼び戻そうと努力しています。

主な企業
  • JTB
  • エイチ・アイ・エス
  • 近畿日本ツーリスト
  • 阪急交通社
  • 帝国ホテル
  • ニューオータニ
  • ホテルオークラ
  • フォーシーズンズホテル椿山荘東京
  • パークハイアット東京
  • ウェスティンホテル東京
  • プリンスホテル
  • 東急ホテルズ
  • JRホテルグループ

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フードサービス

ファストフード、ファミリーレストラン、居酒屋、カフェなどの多様な業態を抱える外食業界。外食産業は利幅の薄いビジネスのうえ、人口減少時代の到来やコンビニ、持ち帰り弁当、宅配などに押され気味です。日経MJが実施した飲食業調査(2010年度)によると、店舗売上高上位100社の売上高合計は前年度比0.1%減の5兆3181億円となり、1974年の調査開始以来初めてマイナスになりました。しかし、経常利益額を見ると2年連続で増えており、店舗運営や食材調達でのコスト削減が効果を出しているようです。業種別ではファストフード、宅配、ファミレスが利益を増やし、居酒屋、回転ずし、喫茶、集団給食がマイナスでした。経常利益額ランキングでは、日本マクドナルドホールディングス、ゼンショー、サイゼリヤ、王将フードサービス、すかいらーくの順。

熾烈な価格競争が繰り広げられる中、焼き肉チェーン店の集団食中毒事件によって、食の安全への取り組みが再び注目され始めています。焼き肉店の問題は焼き肉業界、食肉業界の衛生管理の不備による事故であり、両業界での衛生に対する意識の向上が求められています。

主な企業
  • 日本マクドナルドホールディングス
  • ゼンショー
  • サイゼリヤ
  • 王将フードサービス
  • すかいらーくグループ
  • 松屋フーズ
  • 吉野家
  • モスフードサービス
  • モンテローザ
  • ワタミ

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レジャー・アミューズメント

大規模遊園地やテーマパークから映画館、ゲームセンターまで幅広い業界ですが、国内市場の4割を東京ディズニーリゾート(TDR)が占めています。TDRを運営するオリエンタルランドが発表した11年3月期連結決算を見ると、東日本大震災と電力供給不足によって営業を休止したことなどによって、売上高は3561億円と前年同期比4.1%減となりましたが、営業利益は同28.0%増の536億円でした。入園者数は営業日数が前年度より20日も短かっため、前年に比べて約45万人減の2536万人となりました。

ゲームセンターなどは、不採算店舗の閉鎖が一巡したことや、セガやナムコなどの大手がショッピングセンターへの出店を増やしたことで集客力が上がっています。シネマコンプレックス(複合映画館)はTOHOシネマズ、ワーナー・マイカル・シネマズなどが大手で、立体映像を見ることのできる3D(3次元)映写設備の導入が進んでいます。

主な企業
  • 東京ディズニーリゾート(オリエンタルランド)
  • ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)
  • ワーナー・マイカル
  • TOHOシネマズ
  • セガサミーホールディングス
  • バンダイナムコホールディングス

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コンサルティング

戦略系、会計事務所系、シンクタンク系、国内基盤系、人事系、IT系などに分かれるコンサルティング業界。顧客である企業の置かれた状況を把握し、実効性のある施策を提案・実行するのが主な仕事です。戦略系はマッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティンググループ、会計事務所系はアクセンチュア、アビームコンサルティング、シンクタンク系は野村総合研究所、三菱総合研究所、国内基盤系は日本能率協会コンサルティング、船井総合研究所、人事系はマーサージャパン、IT系フューチャーアキテクトなどがあります。

コンサルタントには米国の大学などのMBA(経営学修士)や公認会計士の資格取得者が多く働いています。多くの企業にとっては、多様化・グローバル化するマーケットで生き残り、業容拡大をするために、コンサルティング業務は不可欠なものになっているといえます。国際的なコンサルティング会社も日本に上陸していますが、一般的に外資系は日本での認知度がまだまだ低いのが現状です。

主な企業
  • マッキンゼー・アンド・カンパニー
  • ボストン・コンサルティンググループ
  • A.T.カーニー
  • アクセンチュア
  • アビームコンサルティング
  • デロイトトーマツコンサルティング
  • 野村総合研究所
  • 三菱総合研究所
  • 日本総合研究所
  • 日本能率協会コンサルティング
  • 船井総合研究所
  • タナベ経営
  • マーサージャパン
  • タワーズワトソン
  • フューチャーアキテクト
  • NTTデータビジネスコンサルティング

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その他サービス

ビル清掃やクリーニングなどを業務とする環境サービス、ビルや店舗・住宅などの管理や警備を行うセキュリティーサービス、フィットネス、美容・エステティック業などがあります。そのなかでも、現在、拡大しているのはセキュリティーサービス業です。近年の治安悪化で市民の防犯意識が高まり、一般家庭にも防犯設備が広く普及し始めています。最大手はセコムで、綜合警備保障、セントラル警備保障が続きます。セコムは国内市場開拓はもとより、中国など新興国開拓を急いでいます。

フィットネス業界は、団塊の世代を中心とした中高年層へのアピールを強化。医師との連携や、温浴施設などと組み合わせたジムを増やすなど、従来はフィットネスクラブに通っていなかった層の掘り起こしに注力しています。また、最近は20代〜40代の女性を中心に会社帰りや家事の合間に立ち寄れる手軽なフィットネスへの要望が増えており、都内で小規模施設の開業が相次いでいます。さらに、子ども手当を見込んで子ども向けのサービスを強化する動きも見られます。

オフィスだけではなく家庭のメンテナンスや清掃を業者に頼む人も増えています。環境サービス業界では業務用、家庭用で事業を展開するダスキンが最大手です。

主な企業
  • コナミスポーツ&ライフ
  • セコム
  • セントラルスポーツ
  • 綜合警備保障
  • ダスキン
  • TBCグループ

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