社会人基礎力育成ワークショップ
「人生100年時代の社会人基礎力を考えるセミナー」レポート

一般社団法人 社会人基礎力協議会は2018年10月5日、拓殖大学文京キャンパスで「社会人基礎力育成ワークショップ〜人生100年時代の社会人基礎力を考える〜」を開催しました。

拓殖大学は社会人基礎力会議を設置し、全学挙げて社会人基礎力の育成に力を入れています。社会人基礎力の育成に関心の高い大学教職員、企業の人事担当者、大学生らが集まり、これからの社会人基礎力について意見交換しました。

人生100年時代の社会人基礎力とは?

第一部の様子

第一部では、経済産業省経済産業政策局産業人材政策室の浅野優子係長が「人生100年時代の社会人基礎力について」をテーマに講演しました。冒頭、人口減少社会の到来とAI・ビッグデータなどの第4次産業革命によって就業構造、産業構造の変化が続いていることを指摘、「この変化をいかにプラスに転換するかが、これからの日本を左右する」と指摘しました。

日本型雇用システムも変化が求められており、そのポイントとして次の3つを挙げました。1つ目は「職務無限定・長時間労働」を改め、女性も労働の場に参加しやすい環境を整備すること。2つ目は「新卒一括採用・年功序列・終身雇用」を見直し、労働移動による「人材の最適活用」を進めること。3つ目は「OJT依存」の人材育成から外部を含めた人材育成・人材投資の強化です。

第一部では、経済産業省経済産業政策局産業人材政策室の浅野優子係長が「人生100年時代の社会人基礎力について」をテーマに講演しました。冒頭、人口減少社会の到来とAI・ビッグデータなどの第4次産業革命によって就業構造、産業構造の変化が続いていることを指摘、「この変化をいかにプラスに転換するかが、これからの日本を左右する」と指摘しました。

日本型雇用システムも変化が求められており、そのポイントとして次の3つを挙げました。1つ目は「職務無限定・長時間労働」を改め、女性も労働の場に参加しやすい環境を整備すること。2つ目は「新卒一括採用・年功序列・終身雇用」を見直し、労働移動による「人材の最適活用」を進めること。3つ目は「OJT依存」の人材育成から外部を含めた人材育成・人材投資の強化です。

次に、働き方改革は長時間労働の是正が目的だけではなく、生産性の向上もあると説明。生産性とエンゲージメント(経営方針を納得した上で湧き起こる自発的な貢献意欲)を高めることが日本全体の付加価値を高めることになり、それが「働き方改革第2章」だとしました。第2章の具体的な改革については次の3点を挙げています。
1.仕事の評価は「時間」ではなく「成果」と「スキル」で
2.働く人のニーズや価値観の多様化に対応した職場環境の整備
3.「リカレント教育」を含めた人材投資「一億総学び」時代に
特に、人が100年健康に生きるこれからの時代には、状況に応じた教育や働き方が必要になってくるとし、「常に学び・働くということが人生の中では繰り返されるようになる」と言います。

このような人口減少や長寿命、産業の変化の中で、2018年に再定義した社会人基礎力について説明がありました。働き続けるために必要な能力についてアプリとOSの関係を例に、「業界や職種に応じて必要になる能力がアプリ、仕事をする上での基礎的な能力となるのがOS」と説明。このOSに該当するのが社会人基礎力になるとのことです。

これからは「学び」が大切な時代に

2006年に「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として定義された社会人基礎力(3つの能力12要素)は、当時はニート問題などもあり、若者向けに普及してきました。ところが、前述したように常に学ばなけれなならない時代になった今、その対象は若者に限りません。そして、能力を発揮するには「どう活躍するか【目的】」「何を学ぶか【学び】」「どのように学ぶか【統合】」が大事になると言います。この「目的」「学び」「統合」のバランスを図ることが、自らのキャリアを切り開いていく際に必要になるのです。

このように、今後は社会人として働き始めても「学ぶ」ことが大事になります。浅野さんは「学びと言っても、座学だけではなく体験をすることが大切。その意味では兼業・副業によって所属先以外での経験で得ることの学びなど、さまざまな組み合わせで学ぶことができます」と説明しました。

学びをする際のポイントとして、次のようなデータが示されました。
学び直しの理想年齢は「30代以前」が半数以上を占めている
約60%の人は学びの意欲があり、若い世代ほど意欲が高い
「実現したい仕事」や「キャリアへの希望」を持っている人は半数。希望がない理由は「時間的・心理的余裕がない」
「キャリア・スキルを棚卸ししたことがない」人は7割
自己認識する「知識・スキル」が高い人は「学習意欲」「仕事の満足度」も高い

「これからの変化の激しい時代に一人ひとりが活躍するには、自らが持つ・持っていない能力や体験を振り返り、何を磨き、何を身につけるために何をどうやって学ぶかを考えることが重要だと思っています」(浅野係長)。新たに学んだ知識やスキルを生かすためにも大事になってくるのが社会人基礎力なのです。

最後に「これからの働き方はGPS型」という話がありました。「これまでは会社に入ってから順序よくハシゴを登って上を目指すような働き方でしたが、これからはゴールが決まっていない中で、どこに行きたいのかを考えなければならない。GPSで目的地を探すような、ポケモンGOのような働き方になる」と例えました。

教育、人材採用・育成の現場の声とは

会場の様子

第二部では、社会人基礎力協議会のリカレント委員会委員長で、専修大学エクステンションセンター講座担当教員の芝原侑次先生による講演「人生100年時代の社会人基礎力とリカレント教育」がありました。講演では芝原先生の企業での経験や、女子大での指導経験をもとにした社会人基礎力育成のポイントなどが語られました。

講演に続いて、大学教職員と企業の人事担当者等による「社会人基礎力育成ワークショップ」です。参加者は5つのグループに分かれ、「社会人基礎力の認知度判定。現状の課題と今後の取り組み方の提言」や「人生100年時代に対する企業の取り組み方と個人の課題について」など5つのテーマから各グループがテーマを選び、議論、発表しました。

各チームからは、現場ならではのリアルな意見が出ました。発達障害の学生への対応に苦慮している大学の担当者からは「感覚として10%ぐらいは発達障害の学生がいる。社会人基礎力をこうした学生に当てはめるのは難しい。逆に学生の自信を失わせることにもなる」といった発言がありました。また、「高校生の場合には社会人基礎力を学ぶような場がなく働き始めている。現場とのギャップを感じる」「グローバルの時代に日本の企業で働くことを意識すぎていないか? 日本の企業が求めるものを身につけてこれから通用するのか?」という厳しい意見も出ていました。