今回の能力アクション実行力
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目標を設定して取り組むことが大事!

実行力

せっかくの成長機会も、やってみる前から「無理です!」とは…。潔いとも、自分の力不足を十分に理解しているとも言えますが、挑戦しなければいつまで経っても仕事ができるようにはなりませんよね。マンガのような新人君にならないように注意したいものです。

社会人基礎力では、「実行力」を「目的を設定し確実に行動する力」と定義し、「自ら目標を設定し、失敗を恐れずに行動に移し、粘り強く取り組む」を行動例として紹介しています。新入社員なら、失敗を恐れることなく挑戦してみる、という部分はより強く求められるでしょう。

成果主義の失敗に学ぶ実行力の本質

実行力で大事なのは、「行動する」ことだと思う人も多いでしょうが、私は「目標を設定する」部分がとても大事だと思っています。それは、これまでに多くの企業が導入して運用に失敗した成果主義の例があるからです。

成果主義とは、1990年代後半から導入が進んだ人事評価制度で、一定期間に挙げた成果(業績)によって給与・賞与、昇進を決めるという制度です。年齢が高いだけで仕事をあまりしない社員に高い給与を払うのではなく、仕事をしている社員に報いる制度として、2000年頃には多くの企業が従来の年功序列制度に代えて成果主義の導入を進めました。ところが、間もなく「成果主義は失敗だった」と言われるようになったのです。

その原因の1つと考えられているのが、成果主義の成果を測るために使われた目標管理制度。これは、社員が期初に仕事の目標を設定し、期末に設定した目標に対する到達度で評価する手法です。一見、とても良い制度に見えるのですが、実際には個人の成果を優先するために「チームで協力して仕事を進めなくなった」、目標達成を優先するために「難しい仕事に挑戦しなくなった」というマイナス面が噴出し、制度導入は失敗となったのです。

行動すれば良いものではない

上記の例からも分かるように、単に行動すればいいというのではダメと言わざるを得ません。到達するために努力を必要とする目標、つまり成功と失敗のギリギリの高い目標を設定し、目標達成のために粘り強く行動しなければならない。逆に言うなら、自分ができることをやり続けるだけなら、実行力があるとは言わないのです。冒頭の新人君のように「ムリです!」と断っていては、いつまで経っても実行力を身に付けることはできませんし、成長もしないでしょう。同じ仕事を延々と続けるのなら、作業をするロボットで事足りてしまいます。

会社で働くということは、1つ仕事を覚えたら次はもう少し難しい仕事、次はもっと難しい仕事と、徐々にレベルの高い仕事をしていくことをいいます。これを続けるから昇進し、給与も上がるわけです。仕事のレベルを上げることができなければ、社会人基礎力を身に付けたビジネスパーソンとは言えないかもしれませんね。

実行力を鍛える ちょっとだけ高い目標を設定する

では、実行力を身に付けるにはどうすればいいのでしょうか。まずは取り組むテーマを決めることです。ただし、それは基本的に何でも構いません。学業や資格取得、サークル・部活動、語学力など、自分が得意なことでも、苦手なことでもいいでしょう。大事なのは取り組む際に必ず目標を設定すること。いつまでに、何をどのレベルまで引き上げるか、達成するかを明確にしてください。 初めのうちは確実にクリアできる目標より、ちょっとだけ高い目標を掲げてください。高過ぎる目標を設定すると、途中で挫折したり、最終的に目標を達成できなかったりする可能性が出てきます。自分が頑張って努力すれば到達できる目標を設定することも実行力です。なんとか手が届く位置、そのレベルから始めるのがいいでしょう。

実行力を鍛える 経験から得た工夫を生かして取り組む

目標を設定したら達成に向けて行動を起こしましょう。そして、確実に目標を達成するためには、どう行動すればいいのかを自分なりの経験や知恵から導き出すことです。この点も非常に重要です。単に頑張るとか、言われた通りにするのではなく、創意工夫をして取り組んでください。

ちょっと高い目標を立てる⇒自分のなりの工夫をして取り組む⇒目標を達成する⇒前回よりも高い目標を設定する⇒経験を生かして取り組む⇒目標を達成する……。これを繰り返すことによって、どのように行動すれば成功するのかを経験として蓄積できるようになります。経験を積めば積むほど、高いレベルの実行力が身に付くというわけです。これが社会で求められる実行力です。さあ何かに挑戦してみましょう!