キャリア教育の現場から

学生の社会的・職業的自立に向けて必要となる能力等を育成するキャリア教育について、教育現場からお届けします。

首都大学東京 SNSを使って社会人基礎力を育成

大学のキャリア教育の取り組みをリポートする「キャリア教育の現場から」。今回は、首都大学東京が富士通と取り組んでいる社会人基礎力育成システムの実証実験について紹介します。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を用いて、社会人基礎力を育成する仕組みを構築し、今後のキャリア形成支援全般への応用を目指すプロジェクトです。

首都大学東京 林祐司准教授
首都大学東京 林祐司准教授

首都大学東京の林祐司准教授の『キャリア形成』(全学共通科目・全15回)の授業は、1〜4年生合わせて約180人の学生が履修しています。講義の中では、学生同士でのディスカッションなども織り交ぜられますが、大教室での講義という性格上、軸となるのは聴講です。要するに、一般的な講義の風景が繰り広げられることになります。 しかしながら、この授業の背景には、社会人基礎力を育成する仕組みを構築し、今後のキャリア形成支援全般への応用を目指すプロジェクトの実証実験が行われています。社会人基礎力を「見える化」する試みともいえるものです。
 この実証実験のベースとなるのが、専用のウェブサイト(PBS note【仮称】※注1)です。このサイトには、いま話題となっているSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が使われています。自分のプロフィールを公開できる、コメントに対する「いいね!」ボタンがあるなど、普段からSNSを使っている学生には親しみ深いものとなっています。
 この専用サイト上で事前に林准教授は課題を提示します。学生はその課題に対して、どのように取り組むかを表明しなくてはなりません。また、講義の後には自己の取り組みについて振り返りをします。これを全15回継続して行います。林准教授は「授業の予習を行いつつ、どのように講義に取り組むかを考え、振り返ることを繰り返すことで、授業内容が身に付くとともに学生の行動の質が上がっていくのではないかと期待しています」と述べています。

このシステムについて、もう少し詳しく紹介しましょう。

注1:Pattern Based Studying note 首都大学東京と富士通が協力して考案・開発したシステム