キャリア教育の現場から

学生の社会的・職業的自立に向けて必要となる能力等を育成するキャリア教育について、教育現場からお届けします。

昭和女子大学 「キャリア支援『社会人メンター制度』」

登録メンターは約300人

昭和女子大学は学生のキャリア支援の一つとして、2011年から「社会人メンター制度」を導入しています。今回は制度の取り組みについて紹介します。

メンターとは優れた指導者・助言者の意味。女性社会人にメンターとして登録してもらい、学生に女性の働き方や社会経験をアドバイスしてもらう制度です。

メンターになるには同大学のOGである必要はなく、現在登録する約300人のメンターの中で、OGは1割余りです。一般的に、大学のOB・OGとして後輩学生にアドバイスすることは他大学でもみられますが、母校でない大学に登録して、ボランティアで学生と交流することはあまりないのではないでしょうか。メンターの属性は100職種以上にもなり、年齢は20〜70歳代が登録し、特に30、40歳代が約65%を占めます。募集は大学のホームページなどで春・秋の年2回実施されます。

大学がメンター制度を導入した理由は何でしょうか? 人間社会学部心理学科の教授で、社会人メンターネットワーク運営会委員長の島谷まき子教授はこう話します。
 「女性のキャリアは結婚や出産、育児などによるキャリアの中断など、非常に多様化しており、多くの学生は就職活動のときに悩みます。大学OGであるかどうかは関係なく、大学時代にロールモデルになるようなたくさんの社会人と直接話せる機会を設けることで、自分の将来を具体的にイメージできるようになります。また、メンターから多くの刺激を受ければ、学生生活を充実させて目的を持って過ごせると思います」

最も利用が多いのは「メンターフェア」

社会人メンター制度は、「個別メンタリング」「メンターカフェ」「メンターフェア」の3つのプログラムがあります。学生は学年に関係なく、誰でも利用可能です。個別メンタリングは、学生とメンターが1対1で面談できるプログラム。就職活動を控えた3、4年生の利用が多いです。学生はウェブ上のデータベースからメンターの業種や経歴を検索して、話を聞きたいメンターを選び、事務局を通じて面談を申し込みます。

メンターカフェは毎回テーマを設定し、テーマにあったメンターが3人ほど来校して、学生とお茶を飲みながら懇談するプログラムです。学生は順番に3人のメンターと懇談します。学生参加数は30人程度です。土曜日の午後(原則月1回)に開催され、テーマは「人に寄り添う仕事(福祉・保育・教育)で働く!」「食品業界で働く!」「留学経験を活かそう!」などさまざまです。

メンターフェアは、10人ほどのメンターがそれぞれテーブルに座り、学生はメンターの経歴などをチェックしながら、関心のあるテーブルに座って話を聞きます。学生は予約不要で出入り自由なため、気軽に参加できるのが特徴です。月2回ほど、昼休みに開催。メンターカフェとメンターフェアは、2、3年生が多く参加します。

2013年度は、メンター制度を1247人(延べ人数)の学生が利用しました。このうち、1年生は102人、4年生も44人参加しました。プログラム別にみると、最も多いのはメンターフェアで、978人が参加。メンターカフェは163人、個別メンタリングは106人でした。

今後について島谷教授は、「教員と職員が協力して告知を増やし、利用する学生数をもっと増やしたい」と意気込みます。「メンターの方の熱意は非常に高く、学生はこの制度をもっと活用しないともったいない。実際、1回でも参加すると、次も受けてみようという学生がほとんどです。全学生が卒業前に1度は利用してほしいですね」

メンターとの交流方法
名称 内容 開催 学生の
申し込み
個別メンタリング
  • メンターと学生が1対1で面談を行う。学生は大学のデータベースにアクセスして、興味のある職業や分野などで検索し、事務局に面談を申し込む。
  • 学生は年間20回まで利用できる。ただし、同一メンターには原則年3回まで。
随時実施。
1回45分間
必要
メンターカフェ
  • 毎回テーマを設定し、テーマにあった3人前後のメンターと学生がお茶を飲みながら懇談する。
  • ここで出会ったメンターに、個別メンタリングを申し込むこともできる。
月1回、土曜日の午後に開催(90分間) 必要
メンターフェア
  • 学内のオープンスペースで、10人程度のメンターがそれぞれのテーブルにつき、学生は自分が話を聞きたいメンターのテーブルを回る。
  • 学生は申し込み不要、出入り自由。昼休みに開催されるので、授業のスケジュールに関係なく参加できる。
月2回、平日の11時45分〜13時15分(90分間)に開催 不要