キャリア教育の現場から

学生の社会的・職業的自立に向けて必要となる能力等を育成するキャリア教育について、教育現場からお届けします。

嘉悦大学 「学内アルバイト制度『働ける大学』で大学活性化」

嘉悦大学はキャリア教育の一つとして、「働ける大学」に取り組んでいます。今回は制度づくりから関わってきた白鳥成彦准教授に内容について話を聞きました。


白鳥成彦准教授

きっかけは大学の活性化

――「働ける大学」は、どんな取り組みですか?

学生が働くことを学べる「学内アルバイト」制度です。2008年に加藤寛学長(当時)の主導により導入し、教育活動の一環として位置づけています。

具体的な業務は、学生の学びをサポートする「SA/TA制度(スチューデントアシスタント/ティーチングアシスタント)」、オープンキャンパスの運営を行う「オープンキャンパススタッフ」、情報メディアセンターでパソコン利用の相談などに応じる「ヘルプデスク」、図書館で貸出の業務などにかかわる「図書館スタッフ」、学内の様々な単発の業務に取り組む「テンポラリー」があります。

それらをまとめているのが学内組織「HRC(ヒューマン・リソース・センター)」で、アルバイトを希望する学生はHRCに登録します。現在、全学生の5分の1にあたる約300人が登録しています。

――導入のきっかけは?

大学の活性化が目的です。08年当時は不本意入学の学生が多く、将来のイメージがつかないまま何となく日常生活を送り、退学してしまう学生も多数いました。

 問題を解決するには、学内に学生の居場所を作ることが大事と考え、24時間のキャンパス開放、図書館の開館時間の延長、友だちができるようなイベントの開催、初年次教育プログラムの充実などに加えて、学生自身に大学に関心を持ってもらおうと「働ける大学」を導入しました。

特徴は学生主体で運営していること

――「働ける大学」の特徴はどんな点ですか?

学内で働くことを学べる、またそれが学生主体であることです。HRCの全体を統括するアドバイザリーボードは、学生のほか教員・職員が8人(13年度)ほど所属していますが、その下部組織である学生リーダーズや各担当部署は学生が中心となって運営しています。

例えば、SA/TA制度は他大学では先生の補助というケースが多いですが、本学では学生の支援や補助がメイン業務です。教員と学生の間には年齢や経験、知識などの「壁」があるため、学生スタッフには教員が言っていることを分かりやすくかみ砕いて、伝えるという役割を期待しています。

スタッフは主に2年生。1年生の授業に入ってもらうことで、1年生にとっては身近なロールモデルになり、スタッフ自身も1年前の自分と同じような悩みに対して、アドバイスしやすい。教えることで学生ならではの気づきがあり、授業ごとに教員にメールで授業の感想などをフィードバックしてもらい、授業の改善に役立てています。