キャリア教育の現場から

学生の社会的・職業的自立に向けて必要となる能力等を育成するキャリア教育について、教育現場からお届けします。

産業能率大学 「キャリア教育の取り組みを評価する入試を実施」

産業能率大学はアドミッション・オフィス(AO)入試や学力を問う一般入試に加え、大学独自の特徴的な入試を実施しています。その1つが「キャリア教育接続入試(以下キャリア入試)」。これは、高校時代のキャリア教育の取り組みを評価し、合否判定する入試です。また、入試科目にグループ討議・発表などを課して評価する「AL(アクティブラーニング)入試」も行っています。

他大学ではあまり見られないこれらの入試形態。キャリア入試とAL入試を実施する狙い、入学した学生の特徴などについて、入試企画部長の林巧樹さんに話を伺いました。

制度導入のきっかけは高校の校長の言葉

――キャリア入試を始めたきっかけは?


入試企画部長の林巧樹さん

1回目は2007年度入試で、06年11月に実施しました。産能大には経営学部と情報マネジメント学部があり、キャリア入試は経営学部の2学科(現代ビジネス学科、マーケティング学科)で行っています。

制度導入のきっかけは、神奈川県の総合学科がある高校の校長先生から、「総合学科や総合高校の生徒を評価できるような大学入試を考えられないか」と言われたことです。総合学科や総合高校は、文部科学省の施策で1990年代後半に生まれた学校形態。キャリア教育など総合学習に力を入れることを特徴とするため、どうしても主要科目の授業数が少なくなります。教育内容は良いのに、大学入試ではなかなか評価されないのが悩みということでした。

また、ちょうどその頃、大学のキャリア教育の必要性が言われ始めていました。法政大学がキャリアデザイン学部を設置したのは03年ですし、産能大でも04年頃からキャリア教育に力を入れてきました。そのような背景もあり、キャリア入試は高校までのキャリア教育と、大学のキャリア教育をつなげようという考えから入試制度に加えました。

キャリア教育接続入試の受験者数と
合格者数の推移(2007年度〜15年度)

     ※12年度までは現代ビジネス学科のみ、
13年度以降はにマーケティング学科を追加した数値


――入試への反響はどうでしたか?

大々的な告知をしなかったこともあり、初年度の受験生はそれほど多くありませんでした。しかし、その後は少しずつ増えてきており、15年度入試は115人が受験し、78人が合格しました。この合格者数は、2学科の定員の15%ほどです。









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