大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

実戦型語学の最前線

企業のグローバル化が進む中、それに人材育成面で応えようと、語学教育に工夫を重ねる大学が増えてきた。単に会話などの正確さを追うのではなく、ビジネスなどの現場で通用するような「実戦的」な教育に力を入れる大学の取り組みを紹介する。

第2回 武蔵野大学

2カ国語を習得する新学部(2012年2月6日 日経産業新聞)

英語などで発表する機会も多い

「3カ国語を話せる『トライリンガル』の学生を育成する」と話すのは、武蔵野大学グローバル・コミュニケーション学部長の示村陽一教授だ。2011年開設の同学部は、母国語以外の2カ国語を身につけることを目指すカリキュラムが特徴になっている。

日本人学生は英語だけでなく中国語も必修科目(留学生は日本語と英語が必修)であり、示村教授は「国際共通語として中国語の需要は高い」と重要性を説明する。

またグローバル社会で活躍するには、語学力だけでなく異文化理解も必要との考えから、積極的に留学生を受け入れ、日本人学生は一緒に学ぶことで価値観の違いなどを肌で感じる。同学部の約23%は中国などからの留学生が占める。

語学力を高めるために、1年生は英語と中国語の授業が週に計7コマ(1コマ90分)ある。毎回小テストをする授業もあり、学生は気が抜けない。2つの外国国語を同時に学ぶのは大変だが、TOEICの点数と中国語検定の取得状況などによって、4年間で最大100万円を支給する奨学金制度を整え、学生を鼓舞する。

授業は学生主体のグループワークが多い。日本人学生と留学生がグループを組み、課題テーマに取り組む。研究結果は英語や中国語などによるプレゼンテーションや紙にまとめるポスターセッションで発表。学生同士で評価し合って切磋琢磨(せっさたくま)する。テーマは「海外すしブーム」「米国の銃問題」といった時事問題などだ。「グループで調べて発表することで、社会人に必要なコミュニケーション力や情報収集力などが鍛えられる」と示村教授は狙いを語る。

学部開設から1年のため、留学できるまでの高い語学力を身につけた学生はまだ少数だが、「今後は留学が必修のような仕組みも作っていきたい」と示村教授はより高い目標を考えている。


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