大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

実戦型語学の最前線

企業のグローバル化が進む中、それに人材育成面で応えようと、語学教育に工夫を重ねる大学が増えてきた。単に会話などの正確さを追うのではなく、ビジネスなどの現場で通用するような「実戦的」な教育に力を入れる大学の取り組みを紹介する。

第3回 茨城大学

基礎から学術レベルまで細かく(2012年2月27日 日経産業新聞)

身近な話題に関する英語プレゼンなどを評価

2000年代前半から大学は教育の質の保証が求められるようになった。それに応えるように茨城大では01年度から教養英語の改革に取り組み、05年度に全学共通の「総合英語プログラム」を導入した。特徴は卒業要件として必要単位(4単位)の取得に加え、一定以上のレベルに達することを課し、学生の英語力を“保証”していることだ。

新入生は英語力によってレベル1〜3のクラスに分けられ、レベル3修了後はレベル4、レベル5と進んでいくか、「学術用英語」のクラスに進む。学術用英語とは学術での使用に備え、特定技能や特定内容に特化した英語のことだ。

同大の福田浩子准教授は「英語4技能(読む、書く、話す、聞く)について、各レベルで『○○ができる』という到達目標を独自に定め、卒業にはレベル3以上の修得が必要」と説明する。

例えばレベル3の目標は、「文化や環境などに関する身近な話題や、大学生活、趣味などの日常的な活動に関する話題から、自分の興味・関心にあわせた話題を選んで、3分程度のプレゼンテーションができる」など4技能15項目がある。学生は半期ごとのテストや授業中のプレゼンなどで総合評価され、レベルアップの可否を判断される。

授業は英文を読んだり、エッセーを書いたり、プレゼンやスピーチをするなどバリエーションに富む。英語4技能を総合的に伸ばすと同時に、学生を主体的に授業へ参加させることが狙いだ。また、社会人になって即戦力になるようなスキルも身につけさせるために、「プレゼンでは抑揚をつけて相手に訴えかけることが大事」(福田准教授)といった指導もしている。

11年度に学習相談室を新設するなど、学生の英語力の底上げへ、きめ細かく指導していく構え。時代の要請にあった語学教育を推進する方針だ。



※注)2012年度より、レベル1とレベル2を統合してプレレベル3として開講しています。

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