大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

実戦型語学の最前線

企業のグローバル化が進む中、それに人材育成面で応えようと、語学教育に工夫を重ねる大学が増えてきた。単に会話などの正確さを追うのではなく、ビジネスなどの現場で通用するような「実戦的」な教育に力を入れる大学の取り組みを紹介する。

第4回 九州産業大学

海外就業体験で力試す(2012年3月5日 日経産業新聞)

豪州の幼児育成施設でのインターンも

「海外企業のインターンシップ(就業体験)で、実践的な英語力を磨いてほしい」。九州産業大学語学教育研究センターの横田治係長はこう話す。同大では2007年度からオーストラリアの大学で語学研修を受け、さらに現地企業でインターンシップをする「KSU海外ジョブトレーニング」を開始した。

対象は2年生修了時にTOEICの初級者向けテスト「TOEIC Bridge(ブリッジ)」で140点(TOEICに換算すると400点程度)以上を取得した3年生だ。

11年度は15人が8〜9月に語学研修とインターンシップに2週間ずつ参加。インターン先はデザイン事務所や旅行業、幼児教育施設など専攻分野に近い企業だ。

「生の英語が飛び交う海外で、どれだけ自分の英語が通じるかを試す機会を与えることで、英語学習へのやる気が上がり、将来の進路を考えるきっかけにもなる」と横田係長はプログラムの狙いを説明する。

同大は07年度に全学共通英語カリキュラムを導入した。学部横断型の能力別クラスで、独自開発の教科書とeラーニングシステムを使い、週2回の授業(1、2年生)では日本人教員が英文読解力を、外国人教員が聴く力を強化する。

さらにブリッジ140点以上の学生を対象に、10年度から「キャリアイングリッシュプログラム」を始めた。1〜3年生約200人が外国人教員による全て英語の授業で、即戦力となるビジネス英語を学ぶ。

海外ジョブトレーニングもこのプログラムの一つと位置付けられており、他には英文ビジネス書の書き方講座や国際業務を行う国内企業でのインターンシップなどもある。

横田係長は「14年度に全学共通英語カリキュラムの改革を計画しており、さらに効果的に英語力を上げられるプログラムを策定したい」と意気込みを語る。


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