大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

実戦型語学の最前線

企業のグローバル化が進む中、それに人材育成面で応えようと、語学教育に工夫を重ねる大学が増えてきた。単に会話などの正確さを追うのではなく、ビジネスなどの現場で通用するような「実戦的」な教育に力を入れる大学の取り組みを紹介する。

第5回 同志社女子大学

必修留学、人間的にも成長(2012年3月12日 日経産業新聞)

同志社女子大学は学芸学部国際教養学科(1学年約90人)で留学を必修としており、全員が2年生の9月から3年生の6〜8月まで提携する英語圏の27大学へ留学する。同学科主任の潟山健一教授は「留学は英語力に加え、人間的にも成長する機会になる」と話す。

留学前は英語力によって分けられた1クラス8〜12人の少人数クラスでTOEFL対策のほか、ディスカッションのスキルを身に付けることやリポートの書き方などに授業の重点がおかれる。

TOEFL対策の科目は「パブリックスピーキングI」などテストで問われる「読む・書く・聴く・話す」に関連した17科目があり、いずれも必修だ。授業と並行して5〜12月にはTOEFLを7回受験し、英語力の伸長を確認する。

また、留学先の文化はもちろんのこと、日本文化についても説明できるよう「日本の文化」「北米研究入門」などの科目も受講する。留学は1大学5人までと決められており、「TOEFLの点数と学業成績の高い学生が優先的に留学先を選べ、上位8人は留学先での授業料補助も得られるため、学生は必死に勉強する」(潟山教授)という。

留学中は1カ月に1度、学業や生活について担当教員に報告するほか、学生自身がテーマを決めて調査するリポートが課せられる。テーマは留学先大学で学んでいる内容だけでなく、「現地の結婚観」など生活の中で感じた内容を取り上げる学生もいる。

帰国後の留学報告書では、親などへの感謝の気持ちを表す学生や学業に主体的に取り組む重要性に気づいたことを記す学生が多い。潟山教授は「留学中は現地のトラブルに教職員がメールで対応するなど苦労も多いが、成長して帰国した学生を見ると苦労を忘れる」と顔をほころばせる。


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