大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

実戦型語学の最前線

企業のグローバル化が進む中、それに人材育成面で応えようと、語学教育に工夫を重ねる大学が増えてきた。単に会話などの正確さを追うのではなく、ビジネスなどの現場で通用するような「実戦的」な教育に力を入れる大学の取り組みを紹介する。

第7回 大阪学院大学

2度の留学、自ら備え(2012年3月26日 日経産業新聞)

「アイ・チャット・ラウンジ」で異文化交流を推進する

大阪学院大学が経済学部に設けたグローバル・エコノミーコース(1学年約10人)は育成する学生像として、「経済知識と高い英語力を持ち、世界で活躍する人材」を掲げる。2度の留学をカリキュラムに取り入れ、卒業までに全員がTOEIC700点以上の取得を目標とする。

1度目の留学は1年生後期に、提携するカナダの語学学校で4カ月間学ぶ。同学部長の林一彦教授は「英語を話す、聴く力を高めることに加え、初めて海外に出る学生もいるため、多様な国の学生と一緒に学んで異文化や経済事情を肌で感じることが目的」と話す。日本人だけで行動せず、多くの外国人と積極的に交流することを勧めている。

2度目の留学は3年生後期の4カ月間で、提携する23カ国51大学の中から専門分野にあった大学を選ぶ。TOEIC600点以上が留学条件だが、点数が足りず、国内で代替科目を履修する学生もいる。現地の大学では経済学系の正規授業を受講し、修得した単位は卒業単位に組み込まれる。

英語力強化に力を入れる同コースだが、英語の授業は一般教養科目と専攻科目の「英語で学ぶ経済学」など数科目しかなく、大部分は日本語で行われる。学生は自主的に英語を学ぶ姿勢を持って、留学に備える必要がある。

例えば、大学が提供する「アイ・チャット・ラウンジ」と呼ばれる異文化交流施設では留学生と共にイベントを開催したりすることで英語を学ぶ。「国際センター」では英語を母国語とする教員によるプログラムを用意しており、学生はやる気に応じて英語力を磨けるようになっている。

「1回の留学でTOEICの点数は150点ほど伸びる」(林教授)というが、さらに高い英語力を持つ学生を増やすために、12年度は英語で行う授業を3科目増やすことになった。


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