大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

実戦型語学の最前線

企業のグローバル化が進む中、それに人材育成面で応えようと、語学教育に工夫を重ねる大学が増えてきた。単に会話などの正確さを追うのではなく、ビジネスなどの現場で通用するような「実戦的」な教育に力を入れる大学の取り組みを紹介する。

第8回 豊田工業大学

卒業にポイント制、やる気刺激(2012年4年16日 日経産業新聞)

外国人講師による授業で英語の基礎力を強化する

トヨタ自動車の社会貢献活動の一環として1981年に開学した豊田工業大学は、2012年度から英語カリキュラムを大きく変えた。卒業要件に定めていた語学力の基準や、専門英語科目の履修時期を1、2年生から3年生へ変更したことなどだ。原大介教授は「入学から卒業まで英語を学ぶシステムに変えて、基礎力をしっかり身に付けさせる」と話す。

11年度までは「TOEIC400〜450点(専攻コースにより異なる)以上」が卒業要件だった。しかし、1年生で受験して要件をクリアしてしまい、その後の英語学習に身が入らない学生がいたことなどから、「英語ステップアップポイント制度」を導入した。同制度は学生が大学の定める約20の課題の中から自由に選択して取り組み、卒業に必要なポイントを獲得するというものだ。

課題は「TOEIC400点獲得=13ポイント」「学内英語スピーチコンテストで優勝=20ポイント」「学内の国際交流拠点『iPlaza』の活動に参加=2〜5ポイント」などがあり、難易度によって獲得ポイントが異なる。合計100ポイントを獲得しなければ卒業できない。

11年度まで、1、2年生は一般教養英語と理工系専門英語を同時に学んでいた。しかし、12年度からは教養英語のみとし、専門英語は3年生から学ぶように変えた。数年前と比べて新入生の読解力が落ちており、専門英語を学ぶ前に基礎力の強化を図る必要が出てきたためだ。1、2年生は文法・読解力に重点をおく「基礎英語」科目と外国人講師による「英語コミュニケーション」科目の授業で英語力を高めていく。

新カリキュラムはこれから本格的に始まる。「ポイント制で学生のやる気を刺激し、継続的に英語を学ばせたい」と原教授は語る。


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