大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

インターンシップ進化論

インターンシップとは、学生が企業・自治体などで就業体験を行うことだ。学生は自ら受け入れ先を探すのが主流だが、近年は積極的に支援する大学が増えてきた。本連載では進化するインターンシップの姿を追う。

第4回 産業能率大学

首都圏私大有数の参加率誇る(2012年6月4日 日経産業新聞)

産業能率大学は開学の1979年以来、授業にインターンシップを取り入れている。これまで5千人が延べ2千以上の企業・機関で就業体験を重ねてきた。30年も前から企業実習を取り入れているのは、座学で理論を学ぶだけでなく実践を重視する建学の精神に由来する。前身の「日本能率学校」時代には、セールスを実体験として学ぶためしじみの販売実習を行ったという逸話も残されている。

現在、同学のインターンシップの主軸となっているのが、主に2年次を対象とした科目「インターンシップI」である。夏休みに2週間の日程で実施され、2011年度は114人の学生が57の提携先で就業体験した。受け入れ先として多いのはサービスや金融業界。インターンシップへの参加比率(学年定員数に対する参加者の割合)は約20%と、首都圏の私立大学ではトップクラスだ。

参加希望者が多いために成績や授業の出席率などに基づき選考している。参加した学生からは「(IT企業は)パソコンの作業ばかりというイメージだったのに、グループで話し合う時間の多さに驚いた」「会社という場に身を置くことで、与えられた課題以上に学ぶことがあった」など、何らかの気づきを得られたという声が多く、授業として成果が出ているという。

しかし過去には、インターン生をアルバイトの延長線に捉えているような企業もあった。事実関係を調査して問題ありと判断したときには提携を解除し、新たな実習先を探すようにしているという。新規開拓には、企業経験者が6割を超えるという教員のネットワークや都道府県の「経営者協会」を活用する。

このほか同学では、Jリーグの湘南ベルマーレと提携し、試合の運営などを行うインターンシップ科目も設置している。


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