大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

インターンシップ進化論

インターンシップとは、学生が企業・自治体などで就業体験を行うことだ。学生は自ら受け入れ先を探すのが主流だが、近年は積極的に支援する大学が増えてきた。本連載では進化するインターンシップの姿を追う。

第7回 跡見学園女子大学

旅行会社と有料実地研修(2012年7月2日 日経産業新聞)

福島県会津若松市では学生が市長に
観光プランなどを提案した(2011年9月)

跡見学園女子大学マネジメント学部は2002年の開設以来、2年次の全学生430人程度を対象に「アカデミック・インターンシップ」を実施してきた。ゼミを土台にした必修インターンシップの草分けだ。

11年度の実績は172企業・団体、のべ439人。「震災の影響を懸念していたが、受け入れ先、学生数ともに過去最高」と、山沢成康学部長は語る。同学部はこの10年で学生数が2倍に増え、実習先の確保は常に悩みの種だが、企業出身の教員自らつてを活用して新規開拓に励む。また、まれに学生から地元自治体や保護者の勤め先を紹介してもらう例もあるという。

11年度には新しい取り組みも行った。同学部の観光マネジメント学科は近畿日本ツーリストと有料の就業体験プログラムを共同開発。これは近ツーの新入社員用プログラムを基に1週間の研修を行った後、国内(福島県会津若松市、2日間)、海外(台湾、3日間)に分かれて実地研修を行うもの。学生は国内約5万円、海外約11万円の費用を負担する。

「これまでのインターンシップは仕事の一部分を任されるようなものが多かったが、新プログラムはビジネスの根幹を体系的に学ぶことが狙い」と村上雅巳准教授は説明する。学生は近ツーのコールセンターの見学、台湾に進出した日本旅館の視察など顧客対応の現場を目の当たりにできる。また、会津若松市を訪れた学生は風評被害について地元で話を聞き、市長に対して学生目線による観光プランなどの提案を行った。

「旅行業は集客中心から需要を開拓する総合プロデュースへと変化のさなかにある。自らの体験から顧客創造を語れる学生を増やしたい」と篠原靖准教授は語る。今後は他業種にも有料プログラムを展開していく考えだ。


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