大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

インターンシップ進化論

インターンシップとは、学生が企業・自治体などで就業体験を行うことだ。学生は自ら受け入れ先を探すのが主流だが、近年は積極的に支援する大学が増えてきた。本連載では進化するインターンシップの姿を追う。

第8回 流通科学大学

実習先、小売りなど120社(2012年7月23日 日経産業新聞)

実習で目標や問題意識が
明確になったとの声が上がる

流通科学大学でキャリア教育の核となるのは「企業論特別講義」と「キャリア実習」である。いずれも主な対象は3年生。前者は各業界の企業トップを講師に招く開学以来続く授業で、後者は1週間程度のインターンシップである。2011年にキャリア実習を履修した学生は260人。自由応募でインターンシップに参加した6人を合わせると、学年(888人)の3割が就業体験に参加した。

実習履修者には、志望動機や自己目標などをまとめさせる。その後、実習担当の職員が面談する。志望の動機は「アルバイトと違う業界の経験をしたい」「接客のヒントをつかみたい」「社会人と接する機会を得たい」など様々。学生の希望や目的意識の高さ、柔軟性などを総合的に評価して実習先を決める。11年に実習先となったのは約120社。業界は多岐にわたるが、ダイエー創業者の故・中内功氏が同学を創設したこともあり、小売りやサービス業界が比較的多い。

学生からは「仕事を選ぶきっかけになった」「自分を振り返り、足りない部分が見えてきた」など、将来の目標や問題意識が明確になったと声が上がる。一方で「希望の企業でなかった」「実習内容が期待と違う」など不満が出ることも。

キャリア開発課の宇田隆課長は「マッチングと企業開拓が最大の課題です。また、受け入れ先の業界のバランスも考えています。学生の希望に沿えるよう業界の幅を広げていきたい」と語る。実習先の開拓には、企業で働いた経験のある教員や職員の人脈を活用。また、実習担当の職員が企業から求人票を受け付ける役割も兼務し、企業訪問時に学生の受け入れをお願いする。同時に、もっと多くの学生に関心を持ってもらうべく、保護者に対しても就業体験の説明をするといった工夫もしている。


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