大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

インターンシップ進化論

インターンシップとは、学生が企業・自治体などで就業体験を行うことだ。学生は自ら受け入れ先を探すのが主流だが、近年は積極的に支援する大学が増えてきた。本連載では進化するインターンシップの姿を追う。

第9回 大阪経済大学

全13回の講座で事前研修(2012年7月30日 日経産業新聞)

金融機関で実習中の学生

大阪経済大学のインターンシップ制度は今年で15年目を迎える。1学部の教員主体で始まったインターンシップは全学部へと広まり、今では3年生全体の3割弱という高い実習率を誇る。2011年度の実績は228企業・団体、478人。業種では、サービス、金融、卸売りの割合が高い。

同大のインターンシップ制度は正課と公募の2種のみで、他大に比べシンプルだ。正課の対象学年は主として3年生だが、学部によっては2年生から4年生まで広範囲なところもある。

調査結果によると、同大の学生が就業体験を知る時期は早く、入学以前に16・5%、1年生時点で20.7%の学生が知っていた。「入学前に本学のパンフレットを見て、入学したら必ず参加すると決めていた、という学生もいる」と、インターンシップ課長の大山裕美氏は語る。認知度の高さが実習率の高さにつながっているようだ。

学生の希望が多い実習先は金融業、卸売業だという。その開拓は学内の企業説明会に参加した企業への呼びかけやOBからの紹介が中心。その他、教職員から紹介を受けることもある。

同大では就業体験の事前研修に力を入れており、全13回の講座を開く。民間企業や自治体から人を招き、仕事や働き方について話をしてもらったり、職員が履歴書やビジネス文書の作成指導を行ったりしている。「ほとんどの学生は本格的な履歴書を書いたことがない。就職活動でも使えるレベルの履歴書を目指して、職員は学生と一対一で徹底指導する」(大山氏)

研修では毎回学生に自己分析や業界研究などのリポートを課し、自ら点検させることで、PDCA(計画・運営・評価・改善)サイクルの訓練を兼ねる。実践的な事前研修を通じて、実社会へのシミュレーションをしている。


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