大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

探訪ユニーク学部

激しい学生獲得競争を勝ち抜くため、個性的な学部をつくる大学が増えている。社会のニーズに合った他にない教育を訴えるが、名前を見ただけでは実際の内容はわからない。実態はどうなのか。ユニーク学部の特徴と狙いを紹介する。

第2回 東京都市大学 知識工学部

ICTの知識、幅広く。(2013年2月25日 日経産業新聞)

東京都市大学の知識工学部は2007年に新設された。情報科学科、自然科学科、情報通信工学科(13年4月に情報ネットワーク工学科から名称変更を予定)、経営システム工学科の4学科で構成。学部長の山本尚生教授は「固い『物作り』を学ぶイメージのある工学部に対し、知識や情報といったしなやかな『もの創り』の教育を進めている」と学部の特徴を説明する。

かつて、情報工学系の知識を学ぶ学科は、工学部内の3学科に分かれていた。しかし、他の学科とでは共通の教育を提供するのが難しく、学部の新設を決めたという。特に情報通信技術(ICT)の分野では、数年でOS(基本ソフト)やコンピューター言語が変わることも珍しくない。目指すのは、そうした技術の変化に対応できる幅広い知識や能力を学生に身に付けさせることだ。

入学後1年半は基礎的な科目やプログラミング技術を徹底教育。その後、専門の教育科目に移り、講義と実習を合わせた授業を数多く用意する。例えば、コンピューターネットワーク技術を学ぶ「情報通信工学演習及び実験(旧情報ネットワーク工学演習及び実験)」の授業では座学に加え、OPNET(オプネット)と呼ぶ企業でも使われているネットワークシミュレーターを使用。ネットワークの仕組みや通信プロトコルについての理解を促す。

講義だけでは技術を説明してもピンとこない学生が多い。山本教授は「シミュレーターの画面上でパケット(デジタル情報のまとまり)の動き方を見ることによって、システム内で起きていることを直感的に分かるようになる」と話す。

学生の就職先をみると、学科によって違いはあるもののICT関連の企業が5〜7割を占める。「学生は大学で学んだ知識を実社会で試したいという目的意識がはっきりしている」と山本教授。「いつまでも知識欲を持ち続け、企業で活躍できる技術者を輩出したい」と強調していた。


開設年 2007年
学生数 1181人(13年1月現在)
主な授業科目 ・プログラミング
・応用プログラミング
・野外調査法及び実習
・情報通信工学演習及び実験
・グローバル社会における経営


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