大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

探訪ユニーク学部

激しい学生獲得競争を勝ち抜くため、個性的な学部をつくる大学が増えている。社会のニーズに合った他にない教育を訴えるが、名前を見ただけでは実際の内容はわからない。実態はどうなのか。ユニーク学部の特徴と狙いを紹介する。

第4回 大正大学 表現学部

グループで制作実践(2013年3月11日 日経産業新聞)

大正大学の表現学部は文字通り、様々な表現方法を学ぶ学部である。学科は表現文化学科のみで、専門分野によって3コースに分かれている。英語のDVDや小冊子を作製して発信する「英語表現・コミュニケーション」、文芸創作や編集などを学ぶ「クリエイティブライティング」、映像による表現を学ぶ「放送・映像表現」の3コースだ。

授業は学生に実践的な力を身に付けさせることに主眼を置く。その1つが4年間の必修科目である「ワークショップ」。週1回、1コマ90分の授業が3コマ連続して行われる。

コースによって制作物は異なり、雑誌の編集技術を学んだり、2人1組で相手のプライベートビデオを作ったり、英語の歌のCDを制作したりする。同学部の小嶋知善教授は「制作に没頭すると個に閉じこもりがちになる。コミュニケーション力を養うためにもグループで制作する機会を多くしている」と話す。

また、コース間にある壁を低くするため取り組むのが「ねぷた制作」だ。これは青森県の祭りで有名な「ねぷた」を学部の1年生全員で作るというもの。学部を象徴するイベントとして、学部開設の2010年から継続している。

3コースの学生約15人で1チームを構成。入学直後からチームごとに作り始めて、夏休み期間中に学内のイベント「光とことばのフェスティバル」で制作物を展示する。西蔭浩子教授は「自分とは違うコースの学生と共同制作することによって、学内に友人が増え、大学が楽しい場所になっている」とほほえむ。

13年4月にはエンターテインメントビジネス(エンビズ)コースを新設する。エンターテインメント業界のマネジメントができる人材を育てるのが狙いだ。西蔭教授は「大正大学は仏教系の伝統ある大学。各コースの特性を生かして大学オリジナルの制作物を作り、エンビズコースの学生が世界に発信するといった取り組みを進めたい」と話す。


開設年 2010年
学生数 530人(12年5月現在)
主な授業科目 ・表現文化概論
・社会言語学概論
・英語コミュニケーション論I〜IV
・エディトリアルライティング研究A〜D
・映像文化研究A〜C


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