大学レポート〜特徴のある教育事例を紹介〜

大学は社会のニーズに応えようと、学生にさまざまな教育を行っています。特徴ある取り組みを紹介します。
※日経産業新聞『大学』面から記事を転載しています。
 肩書などは当時のままです。最新記事は日経産業新聞をご覧ください。

探訪ユニーク学部

激しい学生獲得競争を勝ち抜くため、個性的な学部をつくる大学が増えている。社会のニーズに合った他にない教育を訴えるが、名前を見ただけでは実際の内容はわからない。実態はどうなのか。ユニーク学部の特徴と狙いを紹介する。

第10回 京都精華大学 ポピュラーカルチャー学部

現場の第一線「熱い授業」(2013年5月13日 日経産業新聞)

2013年春、京都精華大学のポピュラーカルチャー学部に1期生93人が入学した。同学部はポピュラー音楽とファッションを学べる新設学部だ。

同大学は06年にマンガ学部を開設するなど、個性的な学部を持つ。「大衆文化」という名前の学部を開設した理由は何か。

斎藤光学部長はこう説明する。「若い人にとって音楽やファッションは聴いたり、着たりするものであると同時に、哲学や文学が担ってきた教養や価値観を支えることと同じような存在になりつつある。ただ、両分野を総合的に学べる大学はほとんどなく、そんな場を提供したいと考えた」

学生は音楽とファッションいずれかのコースに所属するが、コースに関係なく同じ授業を受ける機会を増やしている。従来の枠を越えた新ジャンルの創造には、異なる領域の者同士が互いに影響し合うことが大事だと考えているからだ。

教育のコンセプトには「つくる」「届ける」「考える」の3つを掲げる。専門学校のように作る(=技術的)能力を重点的に伸ばすのではなく、制作の基礎的技術は習得するが、作品を世の中に届けるプロデュース力、社会でどのように役立つかを考え学術的な観点から捉え直すことができる力などを養成する。

 特徴の1つは、音楽やファッション分野の第一線で活躍している人から学べることだ。教員には多数の音楽プロデュースを手掛けてきた佐久間正英氏やファッションデザイナーの柳田剛氏などがいる。専任・客員教授19人のうち、13人は実際のクリエーターが占め、「学生には最前線に関わっている教員だからこそ伝わってくることを感じてもらいたい」(斎藤学部長)。

4月から、それぞれの教授が新しいことをやろうと「熱い授業」が続く。斎藤学部長は学生が息切れしないか心配しつつ、新ジャンルを開拓し世界に影響を与える人材が出てくるであろう4年後に思いをはせる。


開設年 2013年
学生数 93人(13年4月現在)
主な授業科目 ・サブカルチャー論
・ポピュラーカルチャー原論
・文化産業研究概論
・ポピュラー音楽史
・企画演習
・メディア制作


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