キャリア教育の現場から

学生の社会的・職業的自立に向けて必要となる能力等を育成するキャリア教育について、教育現場からお届けします。

大学生の就職ミスマッチ解消セミナー 開催報告

今回は、8月7日に日本経済新聞社スペースニオにおいて開催された「大学生に就職ミスマッチ解消セミナー」(日経キャリア教育.net・日経産業新聞共催)の概要を紹介します。講演1では日経キャリア教育.netの渡辺茂晃編集長が「学生は就職先として企業の何を重視するのか」について、講演2では日経産業新聞の井口哲也編集長が「知られざる優良企業の探し方」について話をしました。

講演1 「学生は就職先として企業の何を重視するのか」
日経キャリア教育.net編集長 渡辺茂晃

最初に2013年春入社予定者(現4年生)の就職活動がスケジュール変更によってどう変わったのかについて説明がありました。12月1日の採用広報開始時には多少の混乱があったものの、1月企業説明会、2月エントリーシート提出、3月筆記試験、4月1日から面接、4月中旬から内々定と、選考試験に関しては順調に進みました。日経就職ナビモニターの内定率(6月1日時点)も昨年比で9ポイント近く上昇。就職活動の開始時期が2カ月後ろ倒しになり、実質的な就職活動期間が2カ月短くなったにもかかわらず、数字の上では問題はなかったようです。

次に、就職先企業を決める際に学生は何を重視するのかという話に移りました。6月1日時点で内定を持っている学生に、「就職先を決める際に重視した点」を質問したところ、「仕事内容」「社会貢献度」「職場の雰囲気」など、仕事の中身が重視する理由が多く、次に「有名企業」「大企業」という外見的理由があり、「給与」「福利厚生」「勤務地」という実利的な理由がきました。

これを昨年の調査結果と比較すると、仕事の中身を重視する項目の比率が下がって、外見、実利に関する項目が重視されていることが分かります。こうした変化は企業側へのアンケート結果からも分かります。企業が学生と接して感じたこととして、「業界理解不足」「企業理解不足」を挙げる企業が半数を超えているとのことです。

就職先企業に決めた理由

特に企業規模が大きい企業ほど、その傾向は強くなっているようです。先の日経就職ナビモニター調査とは別に、日経HRが実施した内定者調査では、大手企業の内定者は就職先決定時の重視点として仕事の中身も多いものの、知名度、規模、給与、福利厚生も多い傾向にありました。一方、中堅企業に就職を決めた学生は仕事の中身で決定していることが多いという結果になりました。

企業規模による決定理由の違い

次に就職活動を始める前の学生、つまり現3年生に志望先企業を決める際に重視する点を聞いた結果が紹介されました。就活を始める前には、「職場の雰囲気」「将来性」「給与」「福利厚生」に偏りが見られますが、就職活動を終えた内定者は極端な偏りがなくなっています。

3年(志望)と4年(就職先)の比較

これらの結果から、大手にばかり目が行って就職できないという就職のミスマッチを解消するには以下のポイントが重要になります。

  • (1)偏った企業選びのポイントをバランスよく配分するように指導する
  • (2)中堅企業の事業内容や仕事内容を教える機会を作る
この2点を就職活動が本格的に始まる前に学生に指導できるかが、就職ミスマッチの解消につながると思われます。