キャリア教育の現場から

学生の社会的・職業的自立に向けて必要となる能力等を育成するキャリア教育について、教育現場からお届けします。

「人気企業の採用活動」に関するアンケート調査

日経HRが毎年実施している「大学生の就職希望企業ランキング」(2013年2月27日付日本経済新聞第2部)の上位100社を対象にした「人気企業の採用活動に関するアンケート調査」の一部を紹介します。(回答社数:62社)

採用スケジュール
◆書類、筆記の開始時期が遅れ、内定出しは早まる

採用スケジュール変更の2年目となる2014年春入社予定者向けの採用活動スケジュールは、昨年に比べて書類選考と筆記試験の開始時期が遅れました。昨年は就職活動短期化によって、企業から学生の業界理解・企業理解不足が指摘されました。企業は初期の選考試験である書類選考と筆記試験の開始時期を遅らせて、学生の理解を深める時間を確保しようとしたようです。業界・企業理解については、企業の学内説明会開催数の増加からも工夫が見られました。

一方、後半の選考試験である面接については昨年とほぼ同じスケジュールで、経団連の倫理憲章の規定通り4月上旬がピーク。ただし、内定出し(予定含む)は前倒しの傾向が見られました。内定出し開始時期は「4月上旬」が30.5%(前年25.5%)、「4月中旬」が35.6%(同33.3%)と、4月中旬で内定を出している企業は67.8%(同60.8%)でした。面接開始時期はほぼ一緒なので、面接回数を減らし、内定出しを早めて学生確保を急いでいるようです。学生にとってはさらなる短期決戦が強いられたことになりました。


書類選考筆記試験
面接 内定出し



学内説明会
◆9割以上が「実施」し、約3割が前年より「増加」

近年、合同企業説明会以外にも、大学へ赴き、説明会やセミナーを行う企業が増えています。大学内で説明会やセミナーを行ったかを聞いたところ、ほぼすべての企業(98.4%)が「学内での説明会を行った」と回答しました。大学内での説明会の開催は、人気企業において定着したといえるでしょう。

また、「はい(=行った)」と回答した企業に、前年と比べた学校数の増減を尋ねると、全体の約3割(31.0%)の企業が「前年より増やした」と回答しました。「減っている」と回答した企業は6.9%と1割未満でした。背景には就職活動の開始時期が2カ月後ろ倒しとなったことによる影響が考えられます。12月の広報活動開始から4月の選考開始まで期間が短いため、学生の企業理解・業界研究はどうしても浅くなりがち。業界・企業研究の期間を伸ばすだけでなく、大学に出て行き、積極的に広報活動をすることによって、理解不足の解消に努めようとしています。


大学内での説明会 昨年と比べていかがですか



面接回数
◆「3回」が最多。「4回」は昨年比17.3ポイント減

面接試験の回数は、全体の約半数(55.1%)の企業が「3回」と回答しました。2013年春入社では「4回」が50%で最多でしたが、2014年では32.7%と17.3ポイント減少しました。面接の回数を減らした理由としては、「採用コストの削減」や「技術職や研究職などの推薦方式をより多く取り入れている」「書類選考や筆記試験などの前段階において厳選を行った」「面接時での1人あたりにかける時間を長くした」などが考えられます。ただ主な要因は、内定を早く出して「他社より先に優秀な学生を囲い込みたい」という競争の結果でしょう。一方、「5回以上」と回答した企業も2013年より7ポイント増えており、中には「10回以上」と回答した企業もありました。

次ページでは、「採用時の重視点」「選考方法の変更点」「選考時にダメだと思う学生の行動」を紹介します。


大学内での説明会