キャリア教育の現場から

学生の社会的・職業的自立に向けて必要となる能力等を育成するキャリア教育について、教育現場からお届けします。

就業観の高い学生がいる大学は? 「就業観ランキング」を発表

 日経HR編集部は、14年春卒業の学生(大学3年生・院1年生)を対象に「学生生活充実度調査」を実施し、その結果に基づき「本当の"就業力"が育つ大学ランキング」を作成しました。調査は「学業」「課外活動」「交友関係」「就業観」の4項目について、取り組み状況や他人との関わりなどを質問(Q1〜22)。肯定的な回答を大学ごとに集計して、ランキング化しました。
 ここでは、学生の就職に対する意識や大学の就職支援などについて質問した「就業観」の調査結果を掲載しますので、今後のキャリア教育などにお役立てください。

地方大学や女子大が健闘

■就業観ランキング
順位 大学名 合計(point)
1 山口大学 405
2 跡見学園女子大学 401
3 金城学院大学 390
4 愛知淑徳大学 381
5 岩手大学 352
6 名古屋工業大学 351
7 東京電機大学 345
8 國學院大學 344
9 龍谷大学 341
10 横浜国立大学 340
11 新潟大学 336
12 弘前大学 335
12 昭和女子大学 335
14 筑波大学 334
15 東京外国語大学 333
15 北九州市立大学 333

 就業観に関する5質問の合計点が高かった「就業観ランキング」の1位は、山口大学でした。Q4「大学でのキャリアに関する科目は就職活動に役立っているか」の質問では、「はい(=役立っている)」が唯一90%を超えて1位となり、Q1「就職についてどんな心境か」の質問は2位(「早く働きたい」=80%)でした。同大学の学生は「学校の歴史が古く、他大学にない強みとして多くの偉人を輩出していること」とコメントしており、地域に根ざした就職支援が充実しています。

 2位の跡見学園女子大学は、女性のキャリア教育には定評があります。3位には金城学院大学、12位には昭和女子大学が入っており、女子大の健闘が目立ちます。ランクインした大学は、働くことに対する意欲などが高い学生が多いといえるでしょう。



Q1就職についてどんな心境か

 学生の57%が「早く働きたい」と回答しました。しかし、「どちらでもない」が19%、「できれば働きたくない」が24%と、いわゆるモラトリアムが多いのも特徴です。トップ10 の大学をみると、1位の筑波大学をはじめ、国立大学が9校ランクインしました。

就職についてどんな心境か
順位 大学名 割合
1 筑波大学 88%
2 山口大学 80%
3 九州大学 74%
4 大阪大学 73%
5 帝京大学 72%
5 東京大学 72%
5 名古屋工業大学 72%
8 東京外国語大学 71%
8 横浜国立大学 71%
10 新潟大学 70%
10 東京理科大学 70%


Q2大学での学業や経験は仕事に役立つと思うか

 「はい(=役立つ)」の回答は80%でした。1位の信州大学のほか、5位岩手大学、筑波大学など地方の大学が上位にランクイン。地域企業との連携が進んでおり、実践的な学びを通じて就業観を身に付けているのでしょう。

大学での学業や経験は仕事に役立つと思うか
順位 大学名 割合
1 跡見学園女子大学 100%
1 信州大学 100%
1 創価大学 100%
4 千葉大学 96%
5 岩手大学 94%
5 筑波大学 94%
5 東京外国語大学 94%
8 西南学院大学 93%
8 山口大学 93%
10 愛知淑徳大学 91%


Q3大学の就職支援は役立っているか

 「役立つ」と回答した学生は74%で、90%を超えた大学は7校ありました。甲南大学の学生は「他大学と比べると就職支援が整っていると感じる」と述べています。上位には学生のニーズに合った就職支援策を推進している大学が入ったといえます。

大学の就職支援は役立っているか
順位 大学名 割合
1 新潟大学 95%
2 跡見学園女子大学 94%
3 弘前大学 93%
4 昭和女子大学 91%
4 一橋大学 91%
6 甲南大学 90%
6 東京電機大学 90%
8 立教大学 89%
9 京都女子大学 88%
9 金城学院大学 88%
9 横浜国立大学 88%


Q4大学でのキャリアに関する科目は就職活動に役立っているか

 「はい(=役立っている)」と答えた学生は45%でした。1位の山口大学を除いて、トップ10 は私立大学でした。2位の跡見学園女子大学、3位の金城学院大学、5位の昭和女子大学、6位の武庫川女子大学と女子大のランクインが顕著です。女性の社会進出支援に力を入れていることがうかがえます。

大学でのキャリアに関する科目は就職活動に役立っているか
順位 大学名 割合
1 山口大学 93%
2 跡見学園女子大学 88%
3 金城学院大学 81%
4 愛知淑徳大学 77%
5 昭和女子大学 73%
6 東京電機大学 70%
6 武庫川女子大学 70%
8 創価大学 67%
9 國學院大學 63%
10 龍谷大学 60%


Q5インターシップの経験はあるか

「はい」と答えた学生は33%で、就業観の項目の中では低い数値となりました。ただ、1位の東京工業大学をはじめ、岩手大学、金城学院大学など上位10大学は、経験のある学生の割合が50%以上と回答した学生の半数以上が経験しています。インターンシップに重点を置く大学は増加しており、今後はその割合も増えていくでしょう。

インターシップの経験はあるか
順位 大学名 割合
1 東京工業大学 62%
2 岩手大学 59%
3 金城学院大学 56%
4 北九州市立大学 53%
5 慶應義塾大学 51%
6 京都大学 50%
6 東京経済大学 50%
6 東京大学 50%
6 名古屋工業大学 50%
6 名古屋大学 50%



親と子のかしこい大学選び
 上記「就業観ランキング」は、2013年6月17日発売の『受験から就職まで 親と子のかしこい大学選び 2014年版』からの転載記事です。同誌には、ほかに「本当の“就業力”が育つ大学ランキング」の総合ランキング(1〜65位)をはじめ、「学業」「課外活動」「交友関係」の項目別ランキングなど詳しい情報を掲載しています。今後の学生就職支援やキャリア教育の参考に、書店などでお手に取っていただければ幸いです。
詳細はこちら

  • 調査対象・期間/就職情報サイト「日経就職ナビ2014」の登録会員(大学3年、院1年)にインターネット上で実施。調査期間は2012 年11 月19 日〜13 年4月30 日。
  • 有効回答数/470 大学・4463 人(4年制大学のみ)。
  • ランキングスコアの算出方法/アンケート結果(学業編、課外活動編、交友関係編、就業観編)の肯定的な回答を大学ごとに集計・得点化(1%=1ポイント)。学業編の合計点はほかの3項目の各合計点と同点になるように調整し、一部の質問に加減率を加えてランキング化した。
  • ランキング対象/回答者数15人以上あった77大学のうち、上位65大学までを総合ランキングとして掲載した。