キャリア教育の現場から

学生の社会的・職業的自立に向けて必要となる能力等を育成するキャリア教育について、教育現場からお届けします。

早期・複数内定者に聞く2014就活戦線

多くの大手企業の採用活動はピークを過ぎ、6月以降は中小企業の選考が本格化しています。日経HR編集部は、5月初めまでに複数の大手企業から内定を獲得した2014年卒業予定の大学生・大学院生数人に、就職活動に関するヒアリング調査を実施しました。大手企業から内定を得た学生は、どのような就職活動をしたのでしょうか。彼らの動向から、まだ内定が取れていない学生や次年度以降の学生へのアドバイスの参考にしてください。

◆複数内定者の特徴は?
スケジュール管理と積極的なOB・OG訪問

採用広報活動の開始時期が12月へ後ろ倒しとなった2年目。2014年春入社予定の就活生の多くは、前年の先輩たちが学業と就活の両立で苦労していたのを見て、スケジュール管理の重要性を学んだようです。「試験期間は会社説明会などの予定を入れない」「エントリーシートの締切日は集中するので、全て書き出して優先順位をつける」「詰め込みすぎないように休息日をつくる」など、うまくスケジュール管理をしていました。

就活初期からスケジュール管理をして慣れていると、4月の面接スケジュール調整などにも余裕を持って対応できます。今年の4月の面接スケジュールは昨年に比べて早期化・過密化が進みました。1週間で1次面接から最終面接まで進む企業もザラでした。そんな過密スケジュールを乗り切って、複数社から内定を得られるのも日程調整の巧みさが影響すると言えるでしょう。

手帳

12〜4月の間は試験やゼミなどの学業、アルバイト、就職活動が重なる。それぞれの予定を色分けしてスケジュールを管理。


「人(OB・OG)と会う機会を多く作った」という学生が多く、採用広報活動がスタートした12月からOB・OG訪問を始めていたようです。昨年は12月に合同企業説明会、1月から2月にかけて企業説明会とOB・OG訪問という流れでしたが、今年は合同企業説明会よりもOB・OG訪問を優先する学生が見られました。一部の学生の間では、「合同企業説明会は行っても意味がない」という噂が広がっており、合同企業説明会への参加の代わりにOB・OG訪問をする学生が多かったようです。今回話を聞いた複数内定を得た学生の中には20人ものOBと会った学生もいました。


◆複数内定者が困った質問
「挫折経験が必要なんて聞いていない!」

複数内定者の場合、面接でよく質問される「学生時代に力を入れたこと」などへの回答には困らないようです。それなりに充実した学生生活を送っており、自分の強みを説明するようなエピソードも豊富に持っているからです。むしろ、彼らが困惑した質問は、「挫折経験に関する質問」でした。

理由は「挫折した経験がないため」。嫌味な感じになってしまいますが、「困難な状況でも、そう感じない」「たいていのことは平均以上にできてしまい、挫折したことがない」からだそうです。中には「挫折しないように頑張ってきたのに、挫折経験が必要なら早めに言ってほしかった」とグチる学生もいました。

企業が「困難・挫折経験」を質問する意図は、「困難をどのように乗り越えるか」を知りたいからです。対応の仕方だけでなく、気持ちの切り替えなども企業の採用担当者は評価しています。

一方、「困難・挫折経験」のない人は、「何かに全力で取り組んだ経験のない人」「鈍感な人」と思われることもあります。ただ、なかには自分の経験を過小評価していて、「あの程度のことは困難といえない」と考えてしまう学生もいます。「困難・挫折経験」がないという学生には、自分では気づかなくても周囲から見れば「よく頑張った!」という経験がある可能性を伝え、家族や友人に聞いてみることを勧めてください。