2020年3月 服装、背景、目線...悩み尽きないWEB面接

意識普通系な僕の就活日記@shimi(明治大学商学部)

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「ここ1~2週間が極めて重要な時期だ」――。首相の発言を受け、日本国内の様子は瞬く間に変化した。イベント自粛、テーマパークの閉園、全国の小中学校の休校。完全にどんよりとした雰囲気が日本中を覆い、国民が元気を失いつつある。このご時世の中、大規模なイベントを開催しようものなら、Twitterで叩かれて吊し上げの刑にされてしまうだろう。早く喪失感を払拭したいと願うが、社会をこんな風に変えてしまった原因が例のアイツなのでどうしようもない。名前を呼ぶだけでも恐ろしい。あんなウイルスさえ流行らなければ、、、。

ということで、自粛の波は僕たち就活生にも訪れた。合同説明会のような大規模なイベントは軒並み中止。企業説明会は動画になり、面接や座談会はビデオ通話へと移行した。こうなると僕たち就活生も、いや、全国の就活生で僕だけかもしれないが、就活の意欲が消失し、完全に自粛モードになりつつある。スーツに着替えてから企業まで足を運び、何時間までも及ぶ説明を聞くよりは、いつでも好きな時間に、家でマグカップを片手に動画を見た方が楽なので、なんだか気が抜けてしまうのだ。イベントの情報が素早く切り替わるので、ぼーっとしていると周りから取り残されそうで恐ろしい。

上だけスーツで下はスウェット?

もちろん、問題は気が緩むことだけではない。WEB面接などの馴染みのないシステムに早いこと慣れておく必要がある。僕はすでに2度の面接でWEB面接を利用したが、独特の緊張感に毎度のこと悩んでしまう。第一に、服装に悩む。企業先への訪問となれば、特別な指定がない限りスーツで行くのが無難だろう。髪の毛も整えた真っ当なリクルートスタイルなら、違和感なく受け入れられると思う。

しかし、それが家でのWEB面接ならどうなるのだろうか。寝間着からスーツに着替え、ピシッとキメた格好で自分の部屋で待機。それから、専用のURLにログインして1時間の面接を始める。面接が終わると、今度はスーツが汚れるのを防ぐために寝間着になる。うーん、、、これはどうなのだろう。外から見ると、自分がどうしようもなく惨めな存在に思えてくる。家にいるのだから、むしろ私服でも平気なように感じるし、画面に映る部分だけリクルートスタイルで見せたいなら、上だけスーツで下はスウェットを身にまとった変態的なファッションでも、全く気づかれなさそうだ。何が起きようと立ち上がれないけど。

第二に、部屋の状態が気になる。これはビデオ通話の背景にあたる部分だ。僕の友人はトライアスロンのサークルに所属していて、毎週のようにサイクリングで何キロも走っている。だから、彼は自転車に詳しく、いつも自慢の自転車を部屋の壁に立て掛けている。これによって、WEB面接を受けたときの彼の背景にはしっかりと自慢の自転車が映ることになり、それを気にして会話に集中できなくなるのでは、と嘆いていた。スポーツマンで爽やかな友人が、その時だけは弱気だった。ほかにも、小学生の頃に描いた「虹の絵」が部屋の壁に掛けてあるため、自分が少しだけ輝いて映るかもしれない、と呟いていた友人もいたし、アイドル好きの大学生などは、面接官の視線に敏感になり、推しメンのポスターを剥がしてしまうかもしれない。自分の映りを良くするためには、何かと気になるものに目が行ってしまうのだ。

面接中に「ご飯よー、準備しなさい!」

第三の懸念は、家庭環境だ。一人暮らしの人には関係ないのだが、僕みたいに実家で暮らしている人は要注意だ。自分の部屋に籠って面接していると、何も知らない母が「ご飯よー、準備しなさい!」と言って呼びつける可能性がある。そんな声が聞こえれば、恥ずかしくてその場にいられなくなるし、「わかったー! 面接が終わったら行く!」と大声で応じるわけにもいかない。いくら母に逆らえないとしても、こっちは面接中なので勘弁してほしい。母親をはじめ、家族にはあらかじめ部屋で面接をすると念を押した方が良さそうだ。

この他にも目線やノイズなど、様々な懸念があげられる。目線は、画面上の面接官の目を見ると、自然とカメラから視線が外れるので、お互いに目線が合わないという微妙な状況に陥る。視線がお互いにやや下を向いたぎこちない関係は、慣れるまで照れ臭かった。ノイズは、家のWi-Fiの電波が悪すぎて、お互いの声が拡声器のようにしか聞こえなかった経験から、とても不安だ。

それでも、僕たちの世代は恵まれているのかもしれない。就職氷河期と心配されているわけではないし、むしろ、売り手市場で内定をいくつも所持して進路に悩む人が出てくる時代である。説明会が中止になっても、インターネットのおかげでスマホから動画を視聴できる。就職の極意を教えてくれるユーチューバーまで存在するほどだ。

何が本当かわからない情報に惑わされそうだが、与えられた環境を最大限に活用して就活を乗り越えよう! 風邪とインフルエンザとコロナには注意。あ、例の名前を口にしてしまった。とりあえず、寝間着の僕は下半身のスウェットを脱いでエントリーだ!

プロフィール

@shimi(明治大学商学部) 趣味は海外サッカー観戦、TWICE。アルバイトは居酒屋。