22年卒内定者調査 ガクチカ編 最も多いテーマは「アルバイト」

漂流する就活

2022naitei3m.jpg
前回は採用選考情報について説明しました。今回は2022年卒者の「学生生活で力を入れたこと(ガクチカ)」の活動に関するアンケート結果を紹介します。3年生(院1年)の時に新型コロナウイルスの感染が拡大したことによって、ガクチカの内容にどのような影響があったのでしょうか。学生たちのガクチカの内容を見てみましょう。

「22年卒内定者調査 インターン編 コロナ禍でも参加率は19年並みの96.3%」はこちら
「22年卒内定者調査 採用選考編 最終面接は9割弱が6月前に」はこちら
「22年卒内定者調査 サポート編 就職支援「利用していない」4割」はこちら

【調査概要】 ・調査対象 「キャリタス就活2022会員」(2022年卒の大学4年生、修士2年生) ・調査時期 2021年8月25~9月5日 ・回答者数 242人 ・企業情報数 600社


多いテーマはアルバイト、サークル・部活、研究・ゼミ活動

2022年卒の学生たちは3~4年(修士1~2年)の2年間、コロナ禍での学生生活を過ごしました。就職活動中のエントリーシートや面接で必ず質問される「学生生活で力を入れたこと(ガクチカ)」で話した活動として、最も多かったのが「アルバイト」(46.7%)でした。以下、「研究・ゼミ活動」(36.8%)、「サークル・部活(体育会系)」(30.6%)、「サークル・部活(文化系)」(23.1%)、「学業・成績」(19.4%)でした。以下で、それぞれのテーマでのエピソードを紹介します。

2022naitei3_1.jpg


・アルバイト
【塾講師・家庭教師】「生徒の苦手科目の克服に力を入れて生徒の志望校合格に貢献したこと」「対応の難しい生徒を指導すること」「不登校の生徒に合うように工夫しながら指導したこと」「生徒に学力に合わせた独自問題を作成したこと」
【飲食店等】「売り上げを伸ばしたこと」「業務改善・マニュアル作成したこと」「リーダーとして後輩を育成し、離職率を下げたこと」「人見知りを克服するために接客のバイトをしたこと」「店での欠品をなくすために、計画的に発注したこと」「アルバイト先の社員は必要だが、アルバイトは取らなくていい資格を取得したこと」「職場の雰囲気を良くするためのコミュニケーションの取り方を身につけたこと」

・研究・ゼミ活動
「学会・国際会議で発表したこと」「研究で感じた問題点を就職後に解決したいということ」「先輩と一緒に研究に取り組んだこと」「研究がうまく進まなくても根気よく取り組んだこと」「研究で苦労したことと、それ克服した経緯」「ビジネスコンテストに出場したこと」「企業と共同研究したこと」「研究室で初めての実験に挑戦し、様々な困難に直面しながらも多様なステークホルダーとのかかわりを経て国際共同研究に結び付けた経験」

・サークル・部活(体育会系)
「他の団体と話し合ったりしながら練習場所の調整を行った経験」「怪我によりプレーヤーからマネージャーに転向した話。 苦労したことや、自分で考えて行動したことなど」「未体験だったスポーツに大学からチャレンジし、活動の中で技術やチーム運営の壁にぶつかったときに上手く周りの力を借りて乗り越えたこと」「体育会系部活で3年時に選手兼監督を務め、全国大会出場を果たすためにチームの意識改革に取り組んだこと」

・サークル・部活(文化系)
「業務のデジタル化・効率化について」「自分でイベントを企画し、周りを巻き込みながら成功させたこと」「会計係を担当し、お金の管理をしたこと」「目標を共有し、チームをまとめて運営するプロセスについて」「これまでサークルになかった個人情報保護規程やプライバシーポリシーを作成したこと」「メンバーが意見を出しやすいようにコミュニケーションの取り方を工夫した」「インカレサークルを運営しており、他大学4校と合同でイベントを開催し、200人をまとめた実績について」

・学業・成績
「大学の特待生を目指して勉学に励んだこと」「学部4年間、地道に予習復習し、どんな科目もバランスを取って学習したことにより、累積GPAが3.85に到達したこと」「1、2、3年と学業優秀賞を取ったこと」「1年目は惜しくも2位で特待生は逃してしまったが諦めずにもう1年頑張り、大学で年間総合成績学科1位になり大学特待生になったこと」「授業の最終課題として完成させたアプリケーションについて」

・資格取得
「文系理系問わず様々な資格を取得したこと」「半年で7つの資格を取得したこと」「IELTSの取得のための勉強について。現状把握から課題特定、解決策について」

以上が主なガクチカの内容です。学生たちは多岐にわたる活動経験を語っていました。2022年卒の学生たちは3年(院1年)になる前までは通常の学生生活を送っていたため、ガクチカのネタをもっていましたが、2023年卒からは普通の学生生活を過ごした時間は、学部生ならわずか1年になってしまいます。23年卒以降の学生は、ガクチカのテーマを何にし、どのように自分の良さを見せるかに苦労しそうです。

2023年卒以降のガクチカはどうなるのか?

22年卒の学生のガクチカの中にも、新型コロナによって活動に影響が出たケースもあったようです。学生たちが新型コロナによる逆境をどのように克服し、ガクチカに活用したのか紹介します。23年卒以降のガクチカの参考になるのではないかと思います。

【サークル活動】留学生支援サークルのコロナ禍での活動。コロナの影響で満足いく留学ができていない留学生の不安を解消するべく、サークルメンバーと留学生をマッチングさせ、オンラインで会話をするイベントを運営した。
【部活動】コロナ禍で対面の活動ができなくても選手のモチベーションを保つために、部活動運営に部員全員を巻き込んだ。リモートトレーニング後に部員が話し合う時間を設けたり、競技外の活動を充実させたりし、チームのモチベーションを保った。
【部活動】コロナ禍で部の活動が難しくなった中で、どのような取り組みをして部員とのコミュニケーションを図り、部の活動を維持したかについて。
【研究・ゼミ活動】コロナ禍で現地での研究ができなかったので、いかにリモートで情報収集をするのかという課題に向き合いながら、卒業論文研究を進めた。
【アルバイト】営業アルバイトをしており、コロナによって客数が減少し危機に陥った会社で、チームの団結と協力で乗り切ったこと。
【留学】留学に向けての準備を頑張ってきたがコロナで留学できなくなった。そこで、それまで努力してきたことを別の活動でどう生かしているかについて。
(編集部 渡辺茂晃)