
調査は採用実績のある大学を人数の多い順に挙げてもらい、学生のイメージについて「行動力」「対人力」「知力・学力」「独創性」の4側面で評価したものです。総合ランキングの対象になった156大学を設置区分別では「国立」「公立」「私立」、地域別では「北海道・東北」「関東・甲信(東京のぞく)」「東京」「東海・北陸」「関西」「中国・四国」「九州・沖縄」の7地域に分けて比較します。
公立は3側面で最下位
次に地域別。総合得点の順位は1位北海道・東北(28.96)、2位東京(28.50)、3位は中国・四国(28.29)の順。1位の北海道・東北と3位の中国・四国は、設置区分別で点数の高かった国立の占める割合が6割を超えているために、全体的に点数が高かったと思われます。ただ、東京は国立比率が15.2%と低かったものの、私立で上位に来る大学が多かったために2位になりました。
北海道・東北は12項目中10項目で1位
側面別を見ると、総合トップの北海道・東北は「行動力」(7.45)、「知力・学力」(7.28)、「独創性」(7.02)の3項目でトップ。さらに、4側面を構成する全12項目中10項目で1位となっています。1位にならなかったのは「コミュニケーション能力」と「柔軟性、適応力」の2項目。側面別の順位を見ると、"東高西低"の傾向にあります。各側面を構成する12項目の下位を見ると、地域による違いが分かります。項目別で最下位となった地域を見てみましょう。
側面「行動力」の「熱意」は中国・四国(7.29)、「主体性」は東海・北陸(7.17)、「チャレンジ精神」は九州・沖縄と東海・北陸(7.07)が最下位。側面「対人力」の「コミュニケーション能力」は関東・甲信(東京のぞく)(7.29)、「ストレス耐性」は東海・北陸(6.87)、「柔軟性、適応力」は九州・沖縄(6.94)が最下位となりました。
側面「知力・学力」の「論理的思考」は関西と九州・沖縄(6.94)、「高い教養」は九州・沖縄(6.70)、「理解力」も九州・沖縄(6.90)が最下位でした。側面「独創性」の「創造力」は東海・北陸(6.51)、「個性」も東海・北陸(6.78)、「着眼点」は九州・沖縄(6.58)が最下位となっています。
今回は「就職力ランキング」を設置区分別、地域別で比べてみました。国公私立や地域による大学イメージの違いがありましたが、皆さんのイメージと合っていたでしょうか。最後、『日経キャリアマガジン特別編集 価値ある大学2021年版 就職力ランキング』に掲載したエリア別ランキングを紹介します。