人事が重視する力を持つ学生が多い大学は?

大学イメージ調査

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企業の人事担当者は採用時に、学生のどのような力を重視しているのでしょうか? 「企業の人事担当者から見た大学イメージ調査」では、採用実績のある大学の「学生イメージ」(12項目※)について評価してもらっています。同時に、採用時にどの項目を重視しているかも回答してもらっています(6段階評価)。人事担当者が重視する力を持つ学生が多い大学はどこなのでしょうか。

約9割が行動力とコミュ力を重視

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4側面を構成する12項目のうち、「非常に重視している」と「重視している」の合計が多かったのは「主体性がある」(88.3%)、「コミュニケーション能力が高い」(88.2%)、「チャレンジ精神がある」(83.0%)、「熱意がある」(80.1%)の4項目が8割を超えていました。側面「行動力」の3項目すべてが8割を超えており、企業は行動力に関係する力を持った学生を重視していることが分かります。

経団連が2018年まで実施していた「新卒採用に関するアンケート調査」でも、「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」がトップ3となっており、ほとんどの企業がこの3項目を重視していると言えるでしょう。

一方、「重視していない」「あまり重視していない」「まったく重視していない」の合計が多かったのは、「高い教養を身に付けている」(33%)、「個性がある」(29.9%)でした。大学教育では専門知識に加え、教養の重要性を訴える声をよく聞きます。また、採用の現場では、イノベーションを起こせる"出る杭"のような個性がある人材を求める声も聞かれますが、重視点としては高い評価とはなっていませんでした。

主体性=早稲田、コミュ力=慶応、チャレンジ精神=横国

各項目で評価の高かった大学を見てみましょう。
●主体性

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最も重視する「主体性がある」は、早稲田大学(8.42)、広島大学(8.40)、北海道大学(8.34)、筑波大学(8.32)、東京工業大学(8.30)がトップ5。早稲田大学は「他大学の学生が思いつかない発想ができ、行動に移すことができる」(金融)、「地頭の良さと主体性や創造力を併せ持っており、論理的思考力に長けている学生が多い印象です。今後事業の変革や新しいビジネスの創出等を担っていってくれる人材として期待しています」(リース)といった人事担当者の声が寄せられています。

●コミュニケーション能力

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「コミュニケーション能力が高い」は慶應義塾大学が8.91と、2位の早稲田大学に0.36ポイントの差をつけました。人事担当者からは「コミュニケーション能力が高く、頭の回転も速い」(広告)、「コミュニケーション能力の高さ、如才がない印象」という評価の声がありました。3位以下は広島大学(8.40)、広島修道大学(8.22)、横浜国立大学(8.21)、北海道大学(8.21)の順。広島修道大学は総合ランキングでは52位でしたが、コミュニケーション能力の高さが目立ちました。

●チャレンジ精神

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「チャレンジ精神がある」は横浜国立大学(8.25)、広島大学(8.22)、早稲田大学(8.19)、九州大学(8.08)、東京外国語大学(8.06)が上位5校。横浜国立大学には「真面目で熱心」(機械)、「理解力が高く、文理問わず色々なことを吸収してもらえるので今後の成長性に期待している」という人事担当者の声がありました。

●熱意

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「熱意がある」は、北海道大学(8.32)、九州大学(8.16)、高知大学(8.14)、横浜国立大学(8.10)、国士舘大学(8.10)の並び。北海道大学への評価は「論理的な思考ができ、かつ開拓者精神をもっている」(新聞社)、「バイタリティがある」(メーカー)でした。また、国士舘大学は総合順位では102位でしたが、「熱意」は私立大学トップの評価を得ました。

※4側面、12項目/側面1_行動力(熱意がある・主体性がある・チャレンジ精神がある)、側面2_対人力(コミュニケーション能力が高い・ストレス耐性が高い・柔軟性、適応力がある)、側面3_知力・学力(論理的思考ができる・高い教養を身に付けている・理解力がすぐれている<地頭がよい>)、側面4_独創性(創造力がある・個性がある・着眼点がよい)

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