人事が重視する力はコミュニケーション能力と主体性

大学イメージ調査

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人事が重視する力&若者に足りない力

日経HRと日本経済新聞社が6月に発表した「就職力ランキング」は、企業の人事担当者に過去2年間に採用した各大学の学生のイメージを聞く「企業の人事担当者から見た大学イメージ調査」の結果を基に作成しています。ここでは、企業が重視する力は何か、そして、学生や若手社員に足りないと感じている力はどんな力なのかを解説します。

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主体性、熱意、ストレス耐性など12項目を評価

「企業の人事担当者から見た大学イメージ調査」では、採用実績のある大学の「学生イメージ」(4側面、12項目※)について評価してもらい、同時に、採用時にどの項目を重視しているかも回答してもらっています(6段階評価)。まずは、その結果を見てみましょう。

※4側面、12項目

側面1_行動力(熱意がある・主体性がある・チャレンジ精神がある)
側面2_対人力(コミュニケーション能力が高い・ストレス耐性が高い・柔軟性、適応力がある)
側面3_知力・学力(論理的思考ができる・高い教養を身に付けている・理解力がすぐれている<地頭がよい>)
側面4_独創性(創造力がある・個性がある・着眼点がよい)


約9割が行動力とコミュ力を重視

側面を構成する12項目のうち、「非常に重視している」と「重視している」の合計が多かったのは「コミュニケーション能力が高い」(90.5%)、「主体性がある」(89.7%)、「チャレンジ精神がある」(83.7%)、「熱意がある」(83.7%)、「柔軟性、適応力がある」(73.1%)、「ストレス耐性が高い」(72.3%)の6項目でした。企業の採用担当者は「行動力」と「対人力」に含まれる能力を重視していることが分かります。「知力・学力」では「高い教養を身に付けている」(33.7%)以外の「論理的思考ができる」(62.4%)、「理解力がすぐれている(地頭がよい)」(55.7%)は重視されています。

一方、「あまり重視していない」「重視していない」「まったく重視していない」の合計が多かったのは、「高い教養を身に付けている」(33.7%)、「個性がある」(29.6%)、「着眼点がよい」(24.0%)でした。グローバル競争時代を迎え、大学教育には専門知識に加え、教養の重要性を訴える声をよく聞きます。また、採用の現場では、イノベーションを起こせる"出る杭"のような個性がある人材を求める声も聞かれますが、重視点としては高く評価されませんでした。

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人事が感じる「不足している力」

調査では企業の人事担当者が学生や若手社員を見て「不足している」と感じる能力についても聞いています。自由記述で得た回答をテキストマイニング手法で分析したところ、「主体性」や主体性に関する記述が最も多くなりました。他には「熱意」「ストレス耐性」「コミュニケーション能力」「積極性」「チャレンジ精神」などがあがりました。この結果から「重視する能力」と「不足している能力」が一致していることが分かります。以下では企業の人事担当者からの声を紹介します。

■主体性について
「周りの様子をうかがってから行動するといったところがあるため、何事も自分で切り開いていく主体性や自主性、パイオニア的な行動力を持ってもらいたい」(金融)
「主体性や積極性(チャットでは質問するが直接は質問できない、リーダーよりサポートが好き) 」(食品)
「主体性。受け身ではなく自ら考え、意見を持って動くこと」(金融)
「自ら目標を定め、主体的に行動する力が不足している。受け身の学生、社員が多い。本来の力を出し切らず、安全・安定を求める傾向にあるのではないか」(その他非製造)

■熱意
「一生懸命になることに"照れ"や"恥ずかしい"という感覚があるためか、熱意が感じられない」(卸売・小売)
「夢や熱意を継続すること。何かしらの目標を持って入ってくるが、苦労にぶち当たった時、少しずつしぼんでいく若手社員が多い。なにくそという気持ちで最初にもっていた志を実現できるように努力してもらいたい」(電気機器)
「学業や研究には熱心な学生が多いが、仕事に対する熱意が伝わってこない傾向がある」(サービス)
「何かをやりたいと思う気持ちや熱意をはっきりと持っている人は少ないように思う」(建設)

■ストレス耐性
「ストレスやメンタルをマネジメントする基礎力。怒られることや失敗に弱くすぐ対応できなくなる」(化学)
「ストレス耐性や柔軟性。 自分の持つイメージとずれが生じた際に拒絶したり、あきらめてしまうのが早いと感じる」(食品)
「事業を進める上で少なからず発生するピーク対応に対するストレス耐性(が不足)」(化学)

■コミュニケーション能力
「対面での報告・連絡・相談など基本的なコミュニケーション。メールなどは使い慣れているからだろうか、メールで済ませようとする姿勢は改めてほしい」(卸売・小売)
「様々な部署、お客様と関わりをもって仕事を進めていくため、コミュニケーション能力が大事であり、特に"傾聴力"をもっと高めるとよいと思う」(運輸・倉庫)
「年の離れた社員(50代など)とのコミュニケーション力が劣る。ご自身の親世代なのでコミュニケーションがとりづらいとは思うが、委縮してしまっている感じがする」(情報・通信)

(編集部 渡辺茂晃)

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