仕事の現場で求められる社会人基礎力~NECの現場から

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社会人基礎力協議会は2019年9月18日、「2019フォーラム Sep. 人生100年時代の社会人基礎力とリカレント教育」を専修大学神田キャンパスで開催しました。第一部ではNECビジネスイノベーション企画本部長の中島大輔氏の講演、第二部ではワークショップ「企業・大学・社会・個人の今日的課題に取り組む」がありました。当日の様子を紹介します。

第一部の中島さんは経済産業省出向中に社会人基礎力育成の政策を担当し、社会人基礎力育成グランプリ開催など普及のプロセスに直接関わっていました。その経験から、提唱側(行政)とユーザー側(企業)両方の視点から社会人基礎力についての話がありました。

社会・産業・仕事が変化する中、重要になる基礎力

「社会や産業構造の変化、技術の進歩などによって、現場で求められる仕事も変化しています。これら変化に対応する中で、社会人基礎力が重要になる。様々な活動や学習のプロセスで実行される対話(目標設定・フィードバック・振り返り)の場面で、共通言語として出てくるキーワードが『前に踏み出す力/考え抜く力/チームで働く力』なのです」。

そして、このことは決して学生向けの要請ではなく、これからの社会を創る私たち全員にとって重要なことなのだと説明しました。

社会人基礎力はこれからの時代に必要な「新しいOS」を表現しており、その3つの力は「積極性/論理性/協調性」といった意味を超えて、次のような意味を持っていると説明しました。

20190918seminar_1.jpg NECの中島さん

・前に踏み出す力=一人称で物事を捉え、自ら行動する。
・考え抜く力=答えのない問題に対して、自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く。
・チームで働く力=多様な人々との繋がりや協働を生み出す。

そして、「これらを、当事者自身が『成長の針路』そして『目標設定や振返りの合言葉』として活用することが大きな意味を生む」と付け加えました。

大学教育への期待とは

大学教育への期待は、「リアルな現場を実感できる教育の場」と「自分で考え抜き・決め・行動・協働する経験」だと。インプット中心の教育からアウトプットを意識した教育スタイルへと変わりつつある中、「教師が学生に教える図式だけでなく、教師と学生、社会人と学生、の双方が主体的に関わり合い、対話していく教育スタイルがますます重要になっている」。さらには、人生100年時代においては、大学を開かれた場として活用し、学生だけでなく社会人も共に学び、問いを立て、考え、行動することで社会に貢献し、成長していけるような「場」づくりができないか、という問いかけがありました。

最後に、中島さん自身が大切にしたい思考や行動として以下を挙げました。
1.問いを立てる、言葉を持つ
解くべき本質的な問題を言葉にする。言葉を意識することでアンテナが立つ。意識した言葉に対して入ってくる情報が質・量ともに全く違うものになることが多い。
2.共有する
共有することで他者の反応を知る。質問やフィードバックを受けることで、内省すべき気づきを得られることが多い。
3.振り返る
内省することで初めて本質に近づくことができる。
4.間を考える
本質的な問題や解決の糸口は、間に潜んでいることが多い。違いの意味や背景を深く議論する中で思いもよらぬ発見をすることも。
5.実験する
やってみないとわからないことが多い。

第二部のワークショップ「企業・大学・社会・個人の今日的課題に取り組む」には27人(大学教員5人、大学職員9人、企業13人)の参加。2グループ(企業組と大学教職員組の2つのグループ)に分かれて、全員による自己紹介と今日的課題・関心事を発表しました。学部横断ゼミナールプロジェクトの発表や、大学・短大・専門学校等を巻き込んだGP開催報告、リカレント教育開催プランなど、さまざまな意欲的な活動が紹介されました。