規律性 ルールを守るだけでなく、自らの行動を律する

渡辺 茂晃

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今回はチームで働く力の「規律性」です。これは基礎力というよりも社会人としては持っていて当たり前のこと、つまり一般常識やマナーと同じようなもの。一人の人間として社会のルールや約束を守って生きるのは当然で、これができないと職場や地域社会の一員として受け入れられない可能性があります。単に約束事を守るだけなら誰でもできますが、情況に応じて自分の行動を律することが社会人としては求められます。マンガにあるように他人が見ていない場所では、仕事をサボるようでは規律性があるとは言えませんね。

社会人基礎力では、規律性を「社会のルールや人との約束を守る力」と定義し、行動例を「状況に応じて、社会のルールにのっとって、自らの発言や行動を適切に律する」としています。子どもの頃から言われ続けているような内容ですから、いまさら言うことでもないでしょうが、社会のルールを認識し、そこから外れた行動は取らない、他人との約束は守る、さらには他人に迷惑を掛けないなどを心がけたいものです。これらは社会で生きていく上では最低限必要なことで、これができなければ他人からの信用をなくし、社会から受け入れられなくなるでしょう。

仕事に対する姿勢も大事

特にビジネスの現場で約束を守らなければ、仕事はどんどん亡くなってしまうでしょう。ルールや約束を守ると同時に、仕事に対して真摯に取り組むことも規律性と言えます。社会人として仕事をすることは顧客に対して商品やサービスを提供することですから、手抜きは許されません。こうした仕事に対する姿勢や取り組み方のほかに、挨拶をするといったことも含まれます。

当たり前のことを当たり前のようにできることは最低限必要です。「水は低きに流れ、人は易きに流れる」の言葉にあるように、ついつい人は楽な方へと流されがちで、その過程でルールを破ったり、手を抜いたりしてしまいます。しかし、そうなりそうなときこそ、自分を律する気持ちを強く持たなければなりません。これが社会人基礎力で求められる規律性なのです。

規律性は気持ち次第

次に規律性の鍛え方について考えてみます。まずは普段の考え方や行動を振り返ってみて、社会のルールや人との約束を守っているか、やるべきことに真剣に取り組んでいるかどうかなどを確認してみましょう。そして、もし社会のルールに反した、いい加減なことをしていたらすぐにやめることです。自分の気持ちと行動をしっかりと管理することさえできれば、他には何もすることはありません。また、自分だけが規律を守るのではなく、周囲の人たちに対しても守るように促すことも必要になります。

ただし、何でもかんでもルールに縛られ過ぎるのも困ったものです。行動例にあるように、「状況に応じて」柔軟に対応することが望まれます。人間誰しも約束を忘れたり、無意識のうちにルールを破ったりすることもあるでしょう。そんな時には素直に反省し、次回は守るようにすればいいのです。なんでもかんでもルールを守らなければならないと考えすぎると、何もできなくなってしまいますからね。「だいたい守っていればいい」ぐらいの気持ちでいるほうが、無理なく規律性を発揮できるのではないかと思います。

プロフィール

渡辺 茂晃 渡辺 茂晃(株式会社日経HR) 1991年日経事業出版社入社、高齢者向け雑誌編集を経て、96年日本経済新聞社産業部、98年就職雑誌編集、2001年日経就職ガイド編集長、05年日経就職ナビ編集長、09年大学評価・学位授与機構「大学の「学習成果」を軸とした教育・評価・エビデンスの発信を可能とする体制についての研究」研究員、10年経済産業省「社会人基礎力育成グランプリ」運営、12年10月文部科学省「産業界のニーズに対応した教育改善」事業支援、14年桜美林大学大学院大学アドミニストレーション研究科非常勤(~19年4月)、日本経済新聞人材教育事業局「日経カレッジカフェ」副編集長、15年中小企業庁「地域人材コーディネーター養成事業」主任研究員、16年経済産業省「健康経営優良法人認定制度」広報担当、内閣府「女性リーダー育成プログラム」主任研究員、18年4月から現職。著書『実況中継 これまでの面接VSこれからのコンピテンシー面接』『マンガで完全再現! 面接対策』『人気企業内定者に聞いた 面接の質問「でた順」50』など。