ストレスコントロール力 耐えるのではなく、コントロールすることが大事

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仕事をしていれば、誰でも失敗することはあります。ミスをして落ち込んだり、悔んだりすることもあるでしょう。でも、大切なのは、失敗したことをいつまでも引きずらずに、そのミスから何かを学び、学んだことを次に生かそうと考えることです。マンガの社員のように落ち込んでばかりいては周囲も困りますし、今後の成長も期待できません。

社会人基礎力では、「ストレスコントロール力」を「ストレス発生源に対応する力」と定義し、「ストレスを感じることがあっても、成長の機会だとポジティブに捉えて肩の力を抜いて対応する」と、行動例を紹介しています。

社会人基礎力の3能力12能力要素についてはこちら

ストレスに耐えるのではなく、ストレスをコントロール

最初に覚えていてほしいのは「ストレスコントロール力=ストレスに耐える力」ではないということ。「ストレス耐性」という言葉を聞いたことがあるでしょう。これはストレスに耐えられる力を指しますが、社会人基礎力のストレスコントロール力は耐えるのではなく、発生源に対応する力としています。一般的に、ストレスに耐える力のある人ほど、ストレスに耐えようとします。しかし、耐えられる限界を超えてしまうと、精神や体に大きなダメージを受けてしまいます。そうならないためにも、ストレスを受け止め過ぎず、柳の枝のように柔軟にかわしたり、ストレスの元(ストレッサー)への対処法を考えたり、ストレスをイヤなものと考えずに前向きにとらえることが重要なのです。

例えば、苦手な人(ストレッサー)がいても、「その人が嫌だ、嫌だ」と考えるのではなく、どうすれば気にならないかを考えてみるとか、難しい仕事(ストレッサー)があっても、「大変だ、大変だ」と慌てるのではなく、どうやってやり遂げるのかを考えてみることです。これがストレスをコントロールする力だと言えるでしょう。

現在のビジネスパーソンにとって、ストレスコントロール力の重要度は増しています。インターネットの普及によってグローバル化が進み、デジタル化によって仕事で必要となる知識や技術は日々変化しています。これらによって仕事で受けるストレスは従来に比べ、格段に増えているのです。その結果、仕事でのストレスが原因で精神的に病んでしまう人、さらには離職してしまう人が非常に多くなっています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)が、2006年に35歳未満の若年者(企業の在職者とハローワークに来所した求職者)を対象に実施した調査によると、前職の離職理由(複数回答)について、「仕事上のストレスが大きい」が43.0%で最も多い結果となりました。入社3年以内に離職した第二新卒者に限っても最も多いのは「仕事上のストレスが大きい」(26.3%)でした。逆にいえば、仕事を長く続けるには、職場で発生するストレスとうまく付き合うことができるかどうかが重要なカギを握っているとも言えるでしょう。

ラーニングエージェンシーの「新入社員のキャリアに対する意識調査」によると、2021年4月に入社した新入社員の56.5%は「今の会社で働き続けたい」と考えています。おそらく、今の大学生の中にも同じ考えを持っている人は多いでしょう。長く勤めることを実現するには、ストレスコントロール力が大事なポイントになることは間違いありません。基本的にストレスのない仕事なんてありませんから、ストレスといかにうまく付き合いながら仕事をするかが大切なのです。ストレスを避けたり、低減させたりして仕事を続けられれば、就職した会社に長く勤めることもできるでしょう。

ストレスコントロール力の鍛え方

では、ストレスコントロール力を鍛えるには、どんな方法があるのでしょうか。基本的にはできるだけ軽いストレスのかかる状況に自分の身を置き、どうやってストレスを回避するのかを経験することです。大学生ならサークルやゼミなどで責任を持つという立場や役割に挑戦してもいいでしょう。新入社員なら先輩や上司の仕事を積極的に手伝い、様々な仕事を経験することです。ただし、あまり無理をしないように。自分のできる範囲で構いません。適度なストレスのある場で、そのストレスをどうすれば軽減できるか、身をもって経験することが大事です。

それができたら、失敗してもいいのでさらにストレスのかかることに挑戦する。勇気を持って取り組んだ経験は、たとえ失敗しても必ず後で役に立ちます。ストレスのかかる状況、失敗、恥をかくなど、さまざまなストレスのかかる経験をすることは、ストレスをコントロールする力を確実に育てます。大きなストレスではなくていいので、小さなストレスから徐々にレベルを上げてみてください。

気持ちはネガティブからポジティブに

気持ちの持ち方も大事です。困難なことがあった場合には、「辛い」「大変だ」「なんで自分だけが」「ああすれば良かったかも」「こんなことになるなんて」などと、マイナスな考えをしがちですが、できるだけネガティブな気持ちにならず、もしくは長く引きずらないこと。いずれは自分のためになる、これを乗り越えれば次は楽になる、というような前向きな気持ちでいることです。失敗しても反省し、同じ過ちを繰り返さない方法を考える。クヨクヨしないようにしましょう。過ぎたことは悩んでも仕方ない! そう思うことも必要ですよ、たまには。
(日経HR 渡辺茂晃)
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<3能力>
前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力
<12能力要素>
主体性、働きかけ力、実行力、課題発見力、計画力、創造力、発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力


就職活動に臨むうえでも、学生たちのこれらの能力は欠かせません。まずは学生たちに足りない力を把握するため、社会人基礎力診断で学生たちの能力測定から始めてみましょう。

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