発信力 相手の理解度を意識して伝えよう

社会人基礎力道場

採用担当者重視度 8.2%

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マンガの内容は、某大手企業の方から聞いた実話です。留学経験のあるTOEICハイスコアの社員が得意の英語を駆使してプレゼンテーションしたものの、企画内容がうまく伝わらない。そこで先輩が注意したところ、「え!? 完璧な発音でしたよ!」と言い返されたというウソのような本当の話。これは英語に限らず、日本語でも同じこと。専門用語やカタカナ言葉(英語)を多用しすぎて聞いている人に趣旨がまったく伝わらない、なんてことはよくあります。相手が自分の話を理解してもらえるように伝えられるかが重要なのです。

社会人基礎力では、発信力を「自分の意見を分かりやすく伝える力」と定義し、行動例を「自分の意見を分かりやすく整理した上、相手に理解してもらえるように的確に伝える」としています。ここで重要なのは「相手に理解してもらえるように」という点にあります。とにかく、発信すればいいのではなく、情報を受け取った相手が分かりやすいかどうかがポイントになります。また、どんなに巧みな文章でも、上手に話しても相手が理解できていなければ発信力があるとはいえません。最近では、SNSなどで文章を公開している人が多くいます。でも、そこに書いている文章がどれだけ読み手に分かりやすく、伝わりやすいかを考えているでしょうか。自分が言いたいことをそのまま書き込んでいませんか。相手が理解しやすいような発信を心掛けることを忘れないでください。

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分かりやすい発信とは

では、相手が理解しやすい発信とはどのようなものかを説明します。基本は、紙の資料を使って説明するなら、文字だけでなく図表やイラスト、写真なども用いること。話して説明するなら、資料のほかにも身振り手振りを交えて説明するなどがあるでしょう。相手によっても理解度が違いますから、相手の反応を見ながら伝えるような工夫も必要になります。

会社で働くようになると、新入社員の仕事の1つに会議の議事録をまとめることがあります。議事録を書く場合、参加者の発言をそのまま記録に残すのではなく、大事な内容だけを抜き出して箇条書きにしたり、図に表したりしてまとめることが求められるでしょう。会議を振り返えるために残すのですから、読む人にとって大事なことが分かりやすいことが良い議事録といえます。

また営業であれば、自社の商品やサービスを顧客に説明するのが仕事になります。パンフレットやパワーポイントで作った資料を使い、その良さを訴えなければなりません。商品やサービスについて知識の乏しい取引先・顧客が相手ですから、より分かりやすく発信できなければ取引は成功しないでしょう。ビジネスの現場では、相手に理解してもらえる発信かどうかが重要なのです。

発信力を身に付けるには

では、発信力を身に付けるにはどうすればいいのでしょうか。基本的には書いて、話して、それを読んだ人、聞いた人に、内容が理解できたかどうかを確認するのが最も有効です。文章を読んでいてどこが理解しにくいのか、話を聞いていて分かりにくかったのはどこなのかなどを指摘してもらうことです。大学生ならレポートを書いたら必ず読み返してみて、文章が分かりづらくないかを確認することから始めてください。読み返す際には、声に出して(周囲に人がいない場合)読んでみると、文章の良し悪しが分かりやすくなります。また、レポートに対する先生からの指摘を確認・理解し、修正することのも必要です。

読んでいる人や聞いている人が十分に理解しているかどうかは、自分ではなかなか判断がつきません。私も原稿を書いた後、必ず誰かに読んでもらうようにしています。本人は分かったつもりで書いていても、他人が読むと意味が通じない、分からない点があるからです。発表などについても同じです。私は講演後には可能な限り質問を受け付け、回答すると同時に自分の話に何が足りなかったのかを確認するようにしています。

メールを使ったコミュニケーションで重要に

SNSやメールでの発信力も重要度を増しています。ある調査によると、メール送信者の意図した通りに内容を理解している受信者は50%程度にとどまるという結果があります。一方、受信者の9割は自分が正しく理解していると思っているというのです。ビジネスの現場ではメールが重要なコミュニケーションツールの1つとなっている現在、発信力の重要性はより高まっているといえるでしょう。

普段から思ったことをそのまま文章にしたり話したりするのではなく、1度、集まった情報の取捨選択や説明する順番は適切かどうか考えてください。これからは常に情報の受け手がいることを意識して「書く、話す」ように心がけてください。そうすれば必ず発信力はアップします。自分から情報を発信し続けると、自然に情報や人が集まってきます。この循環ができると、発信するモチベーションも上がり、より良い発信へとつながっていくでしょう。
(日経HR 渡辺茂晃)
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日経キャリア教育「キャリエデュ」では、「社会人基礎力診断」を開発・提供しています。「社会人基礎力」とは、以下の3能力と12能力要素からなる、仕事や職場で活躍するうえで必要な力のことです。


<3能力>
前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力
<12能力要素>
主体性、働きかけ力、実行力、課題発見力、計画力、創造力、発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力


就職活動に臨むうえでも、学生たちのこれらの能力は欠かせません。まずは学生たちに足りない力を把握するため、社会人基礎力診断で学生たちの能力測定から始めてみましょう。

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学生の「社会人基礎力」を測るWEB診断です。経済産業省が2006年に定義した「社会人基礎力」の3能力12能力要素と、2018年に再定義した3つの視点を測っています。「低学年向け」と「高学年向け」があり、結果レポートの「診断結果の生かし方のアドバイス」に違いがあります。



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