都内主要大学の学生 インターン参加は9割超、選考受けた4割

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2021年春卒業予定者の就活解禁まであと1カ月となりました。政府が決めた新ルールで進む就活ですが、昨年の20年卒以上の早期化が進んでいます。日経HRが都内の大学生を対象に実施したアンケート結果を見ながら、現在の就活の進捗状況を確認します。

■調査概要
実施期間:2019年12月25日~2020年1月16日
対象:都内の主要大学に通う大学生・大学院生
調査方法:インターネット上で調査
回答者数:86人


ITサービス・ソフトウエアは選考進む

インターンシップに参加したことのある学生は91.9%と9割を超えました。また、参加者のうち1社のみは8.1%と、インターン経験者の9割は複数回参加しています。10社以上の参加者も18.6%に達しました。20年卒のインターンシップ参加時期は8月(23.8%)の次に多いのが2月(21.3%)でした(ディスコ調べ)。2月中にはほとんどの学生がインターンシップに参加すると思われます。

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インターンシップに参加すると、早期選考の案内が来るのが当たり前になりつつあります。既に選考に進んでいる学生は43.0%おり、選考が進んでいる業界としては「ITサービス・ソフトウエア」「テレビ・広告」「コンサルティング」「化粧品・生活用品」などでした。内定を持っている学生は一人でしたが、最終面接まで進んでいる学生は4人いました。

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「働きたくない業界はない」が最多

次に、志望業界を見てみましょう。「働きたい業界」と「働きたくない業界」をそれぞれ3つまであげてもらいました。働きたい業界では「商社」「ITサービス・ソフトウエア」(22.1%)が最も多く、「コンサルティング」(16.3%)、「不動産」「陸運・鉄道」「新聞・出版」(15.1%)が続きました。商社は以前から人気の高い業界ですが、「ITサービス・ソフトウエア」は最近のIoTやAIなど将来性があると思われて人気が高まっています。

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「働きたくない業界」で最も多かったのは、特定の業界ではなく「働きたくない業界はない」(22.1%)でした。最近の学生の中には特定業界にこだわって就職するよりも、自己成長や将来性、給与・待遇など、企業選びの重視点で納得できれば業界や企業にこだわらない人が増えています。そのような考え方を反映しているとも考えられます。具体的な業界名では「証券」「フードサービス」(16.3)が最も多く、「百貨店・スーパー・コンビニエンスストア」(12.8%)、「銀行」(11.6%)の順となりました。

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企業選びの重視点は就活の進捗状況で差

企業選びの重視点は「給与・待遇」(46.5%)、「やりたい仕事ができる」(43.0%)、「事業内容」(41.9%)、「人事など社員の人柄」(41.9%)となっています。本サイトの連載「就活を科学する(上)就活生が会社を選ぶメカニズム」で、ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆さんは学生の企業選びについて次のように説明しています。

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「就職活動の「前半」では「自分」(学生自身)に関する情報が重視されるのに対して、「後半」では「会社」に関する情報が重視されます。前半は職業適性、キャリア展望、働き方の価値観など、自分のことを理解したい気持ちが強いものの、後半になると一転して会社のことを理解しようとする」

今回の重視点を「既に選考を受けている学生」と「まだ選考を受けていない学生」で比較すると、選考を受けていない学生は「社員の人柄」や「社風」「研修・教育研修制度」などを重視する学生が多く、選考受けている学生は「安定性」や「将来性」「企業理念」「企業規模」「社会貢献」などの割合が高くなっています。選考が進んでいる学生ほど、関心は企業そのものに向かっているようです。

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