22年卒内定者調査 採用選考編 最終面接は9割弱が6月前に

漂流する就活

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インターン参加者4人中3人が「優遇あった」

前回はインターンシップ情報について説明しました。今回は採用選考についてです。延べ600社の選考試験情報の集計結果を紹介します。年々深まるインターンシップと選考の関係、政府の就活スケジュールと実際のスケジュールとの乖離などが分かります。

【調査概要】 ・調査対象 「キャリタス就活2022会員」(2022年卒の大学4年生、修士2年生) ・調査時期 2021年8月25~9月5日 ・回答者数 242人 ・企業情報数 600社


選考方法とスケジュール 1次面接のピークは4月上旬

まず採用選考ではどのような選考があったのかを見てみましょう。内定を得た企業ごとに受けた選考を聞いたところ、エントリーシートは90.8%、Webテスト・筆記試験は79.4%、グループワーク(GW)10.8%、面接100%でした。

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次はスケジュール。下にある折れ線グラフは選考ごとの受検日(エントリーシートは提出日)を表しています。これを見ると、「エントリーシート」と「Webテスト・筆記試験」の2つの選考のピークは3月でした。政府が定めた就活スケジュールでは、3月を説明会などの広報解禁時期としていますが、3月上旬からエントリーシートの提出が始まっているのが現状です。Webテスト・筆記試験もエントリーシート提出とほぼ同時期となり、遅くとも2月中にはエントリーシートとWebテスト・筆記試験対策を終えておかないと就職活動に乗り遅れる可能性があるでしょう。

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この2つの選考のすぐ後に、「1次面接」のピークが4月上旬にやってきます。「2次面接」は4月中下旬と5月中旬に山があり、「最終面接」は3月下旬、4月中下旬、5月中旬~6月上旬と、山が3回ありました。「内定」は4月下旬、6月上旬に山がありますが、4月の方が高くなっています。政府のスケジュールでは6月選考(面接)解禁となっていますが、最終面接は9割弱が6月前に済んでいるというのが実態です。

グラフにはありませんが、3年生の12月以前に選考を進める企業もあります。エントリーシートの提出で10.5%、1次面接で9.0%、内定で3.5%が、12月以前に実施していました。建設、IT系、コンサルの業界に多く見られました。

エントリーシート Web入力が8割。動画ESも

各選考について見てみましょう。エントリーシートは今ではWeb上の入力フォームから提出するのが主流です。手書きのエントリーシートを提出するのは小売り、教育、マスコミの企業に多いようです。文字で提出するエントリーシートとは別に、動画エントリーシートの提出を求める企業も17社ほどありました。動画の内容は「自己紹介」「自己PR」「学生生活で力を入れたこと」などの一般的なものから「コミュニケーションの強み」「働く意義」「30年後必要とされるテクノロジーは何か」まであり、時間は30~60秒でした。

質問で多いのは「学生生活で力を入れたこと」「志望動機」「自己PR・強み」「学業(ゼミ・研究内容)・成績」「将来の展望(やりたい仕事)」「困難を克服した経験」。学生が回答に困る「自由記述(空白スペースに自由に記述)」も20社ほどありました。学生の本分である「学業(ゼミ・研究内容)・成績」について質問は、理系職種で聞かれることが多かったのですが、文系職種でも4割ほど質問されており、企業の意識もだいぶ変わってきたようです。ユニークな質問では「答えのない問いに向き合った経験」「感受性を刺激した出会いは?」「あなたのキャッチコピーを付け、説明してください。必要であれば画像や図も使っていい」などがありました。

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Webテスト・筆記試験 デザイン思考テストも

Webテスト・筆記試験はコロナ前まで主流だった、専用会場でPC受検する「SPI(テストセンター)」が減り、自宅でPC受検する「SPI(Webテスト)」が主流になっています。2番目に多い「玉手箱」も自宅でPC受検するテストです。SPIは2種類で5割を超えており、依然として筆記試験対策の中心はSPIでしょう。受検時期はかつて、エントリーシート通過後に受検するのが一般的でしたが、エントリーシート提出時と同時が半数を超えています。

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また、最近の新しいテストとして「デザイン思考テスト」があります。創造力(新しいニーズに気づき、適切なソリューションを創り出す力)と評価力(ニーズの強さと、ソリューションの有効性と革新性を見抜く力)を測るもの。VISITS Technologiesが提供しています。アンケートでは利用企業は2社でしたが、インターンシップでもデザイン思考を取り入れたプログラムが見られ、今後広がる可能性もあります。

面接 最終面接でもオンラインが6割超

面接は新型コロナの感染が収まっていない中での実施だったためオンライン中心でした。1次面接はオンラインが86.4%、対面が10.7%、2次面接はオンラインが76.9%、対面が22.5%、3次面接はオンラインが61.5%、対面が37.6%でした。初期の面接はオンラインでも最終は対面で、という企業が多かったようです。

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面接での質問では、最も多く質問されているのが「志望動機・志望理由」で、次いで「学生生活で力を入れたこと(ガクチカ)」「学業・研究内容」「自己紹介・自己PR」「逆質問」「入社後やりたいこと・キャリアプラン」「業界の志望理由」「強み・長所」の順でした。

21年就活振り返り 採用選考化進むインターンシップ

採用選考については以上になります。新型コロナの影響があり、オンライン中心の就職活動2年目となりました。学生からはオンラインでの就活に対する不満や不安の声は少なく、うまく順応できているようです。

ここ数年、就活におけるインターンシップの採用選考化が指摘されていますが、アンケート回答者の多くもインターンシップの重要性を語っています。理由は選考での優遇や企業・仕事理解が深まることを挙げています。インターン参加企業の選考を受けた学生のうち、4人中3人が何らかの「優遇があった」と答えています。この結果を見ても、内定への近道はインターンシップに参加することであると言えます。

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(編集部 渡辺茂晃)