エントリーシート64％、筆記29％、面接26％で実施
就業体験はできなくても、グループワークや職場・工場見学で仕事や企業理解を深めたり、座談会や懇親会で社内の雰囲気を感じ取ったりするなど、インターンシップ参加で得られることは多いようです。ただ、人気企業のインターンシップほど、本選考と同様の選考が課せられており、誰でも参加できるとは限りません。企業よっては本選考並みの選考を通過しないと、インターンシップ参加までたどりつけないこともあるようです。アンケート結果を見ると、最も多い選考はエントリーシート（ES）で、64.3％の企業が実施しています。Webテスト・筆記試験が28.6％、面接（1回と2回の合計）が26.3％となりました。選考を実施する企業の9割はESによる選考をし、4割はESのみでした。選考の組み合わせを見ると、ESのみ以外では「ES+筆記+面接（１回）」が17.5％、「ES+筆記」が14.1％。これを見る限り、インターンシップ前（夏休み前）には、選考試験対策をする必要があることがわかります。
ES質問で最多は「参加する理由」
各選考について詳しく見てみましょう。ESでの質問では、「インターンシップに参加する理由」（70.7％）でした。以下「学生時代に頑張ったこと」（62.8％）、「自己PR・強み」（58.5％）が3大質問です。本選考では「企業を志望する理由」が上位に来ますが、さすがにインターンシップで志望理由を聞く企業は少ないようです。筆記試験は、「SPI（Webテスト）」（42.5％）が最も多く、次に「SPI（テストセンター）」（23.3％）。この2つを合わせると65％にもなり、本選考よりもSPI率が高くなっています（本選考は5割弱）。面接もESと同じ質問です。形式は個人面接が5割を超え、オンライン面接や電話面接も1割ほどありました。
選考がなかった企業は30％でした。選考のなかった企業のうち8割が半日・1日インターンシップ。2週間以上も1件ありましたが、建設会社に建築学部の学生を参加したケースだったので一般的な自由応募のインターンシップとは違っています。
選考以外でも準備すべきこと
最後にインターンシップに参加するに当たって選考以外にも準備しておくべきことがあります。インターンシップに参加した学生に「インターンシップ中に困ったこと」を聞いた結果を参考にしてください。服装（34.8％）、髪型（12.5％）、化粧（5.9％）などの身だしなみ、メールの出し方（25.0％）、敬語の使い方（21.1％）、電話の受け答え（13.7％）、あいさつの仕方（10.2％）などのビジネスマナー、社員の方との雑談の仕方（32.4％）、一般常識（9.4％）の社会人としての教養などに分けられます。服装については「自由な服装」「私服」など、リクルートスーツ以外の服装での参加を求められた時に困っているようです。髪型は髪の毛の色について、「黒に染めた方がいいのかどうか」など。ビジネスマナーについては、「電話をかけるのが苦手」だったり、「メールでの文章書き方が分からない」といった内容が多く、LINEやインスタなどSNSでのコミュニケーションが主流の学生たちの悩みです。あいさつの仕方については、タイミングや相手との距離について悩んでいる学生が見られました。
雑談と一般常識については、休憩時間や昼食時、懇親会などで社員と話す際に、「話題についていけなかった」「話が広がらなかった」「沈黙の時間がつらかった」という声が聞かれました。雑談で盛り上がるためにも「一般常識が必要だと気付いた」そうです。
インターンシップに参加するのは、当然ながら選考を通過しなければならないために選考試験対策も重要です。ただ、インターンシップが採用選考の一部となった今、参加して業界・企業理解を深めるだけでなく、本選考を有利に進めるためには企業から高い評価を得ることも重要になります。ビジネスマナーや一般常識、雑談などのコミュニケーション能力を磨く必要もあるでしょう。
※【調査概要】
・調査対象 「キャリタス就活2021会員」（2021年卒の大学4年生、修士2年生） ・調査時期 2020年9月14～23日 ・回答者数 265人 ・企業情報数 677社
写真素材／PIXTA・調査対象 「キャリタス就活2021会員」（2021年卒の大学4年生、修士2年生） ・調査時期 2020年9月14～23日 ・回答者数 265人 ・企業情報数 677社